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「過小評価されている」大谷翔平の"脚力"を米最大手メディアが特集。「ベースランニングの研究家」と称賛の声

THE DIGEST編集部

2021.04.22

投げて打って、そして走って。大谷のあまり語られない抜群の能力とは?(C)Getty Images

投げて打って、そして走って。大谷のあまり語られない抜群の能力とは?(C)Getty Images

 “二刀流”よりも、さらに多くの刀を持っているのかもしれない。

 日米で大きな話題を振りまき続けている大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)を、米国スポーツメディア最大手『The Athletic』が特集している。内容はバッティングでもピッチングでもない、「ベースランニング」についてだ。

「ショウヘイ・オオタニの最も過小評価されているベースランニング」と題した当該記事において、まずは出色のスピードについて紹介。大谷の今季のスプリントスピード(1秒あたりの走塁距離)は、29.2フィート(8.90m)はメジャー全体12位に入っており、最強打者でありチームメイトのマイク・トラウト(29.1フィート)を上回っているという。

 もっとも、特集記事を執筆したツイッターのフォロワー数119万人超の敏腕記者ケン・ローゼンタール氏は「ただ速いわけではない」と念を押し、こう続けた。「試合のあらゆる面で発揮される、ベースランニングの研究家なのである」。

 曰く、大谷はトラウトら中軸の前で盗塁を決めてチャンスを広げているだけでなく、相手投手のけん制の動きを分析するために、ビデオで念入りにチェックしているという。そして出塁すると、一球ごとに外野手がどこを守っているのかを確認。こうした”事前準備”がいかんなく発揮されたシーンとして、4月16日のミネソタ・ツインズ戦を紹介した。
 
 ツインズ1点リードで迎えた6回裏、先頭のデビッド・フレッチャーが出塁すると、この日3打席目を迎えた大谷は、バットを折られながらもセンター前ヒットを放つ。相手守備陣が三塁へ送球するのを見るや、大谷は一気にギアを入れて二塁に到達した。このプレー自体も大谷の高いセンスを感じるが、これだけにとどまらなかった。

 続くトラウトが三遊間を破るヒットを放つと、大谷はレフトが深めに守っていることを”事前準備”で把握しており、一気にギアを入れて三塁を蹴って本塁へ激走。勝ち越しの決勝ホームを踏んだのだった。

 単純なスピードだけでなく、的確な判断、そしてその意思決定を行なうための相手への観察。こうしたすべてのファクターを兼ね備えているからこそ、「研究家」との声が送られたわけである。

 ローゼンタール記者によると、エンジェルスの球団幹部は大谷のスピードと野球への洞察力に感銘を受けており、「もし球団がオオタニをセンターに転向させるとしたら、ゴールドグラブを獲得できるはずと、エンジェルス陣営は信じている」とも伝えた。

 もっとも、「外野に転向させるようなプランはないけれども」としたローゼンタール記者は続ける。「ゴールドグラブ7回の名手、デボン・ホワイトのようにオオタニが外野を駆け回る姿を想像してごらん。あながちあり得ないようなことではないように思えないか?」と、大谷の持つ身体能力の高さを考えれば、センターでも十分活躍できると示唆している。

 ピッチング、バッティング、ランニング。大谷は少なくとも“三刀流”として、メジャーを驚愕させているようである。

構成●THE DIGEST編集部
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