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プロ野球

山本由伸、史上16人目の完全試合は逃すも自己最多の15奪三振で今季6勝目!

SLUGGER編集部

2021.06.11

 オリックスの若きエース、山本由伸が惜しくも伝説を逃した。6月11日に本拠地で行われた対広島戦で、7回までパーフェクトに抑えたものの、8回先頭の鈴木誠也に初安打を打たれて快挙を砕かれたのだ。

 この日の山本はまさに鬼神のごときピッチング。初回先頭の羽月隆太郎を3球三振に打ち取ったのを皮切りに、2~3回には4番の鈴木をはじめとして何と6者連続三振。7回までにスタメン野手全員から計12三振を奪った。広島先発のルーキー、大道温貴も5回を無安打2四球に抑えたが、山本の“神ピッチ”の前には霞んで見えてしまった。

 6回までは均衡が続いたものの、7回にはついにオリックス打線がエースの好投に応えた。連打で1死満塁の好機を作り、7番杉本裕太郎のタイムリーで2点を先制。これには、ベンチ前で見守っていた山本も思わずガッツポーズを見せた。打線はさらにこの後、福田周平が押し出し四球を選んで3点目を加えた。
 
 だが、0対0の均衡が崩れたことで、山本の心にも一瞬のスキができたのかもしれない。8回先頭の鈴木に伝家の宝刀カットボールを捉えられ、ついに初安打を許してしまう。これで1994年の槙原寛己以来27年ぶりの快挙どころか、ノーヒットノーランも露と消えてしまった。

 続く5番・坂倉奨吾にもヒットを打たれ、無死一、二塁のピンチを招いた山本だが、ここからまたギアを上げる。會澤翼、小園海斗と連続三振に取って自己最多の14奪三振に並び、8番クロンの代打で出てきた菊池涼介をフォークで空振り三振に打ち取って、見事に自己最多記録を更新。この回限りで山本はマウンドを降りた。

 味方がさらに1点を追加した後の9回には、代わって平野佳寿がマウンドに立ち、0点に抑えて試合終了。山本には今季6勝目がついた。この勝利で交流戦単独首位に浮上するとともに、リーグ順位も3位に。今後に向けて大きな弾みがつく1勝となった。

構成●SLUGGER編集部
 
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