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「日本人初」よりも“価値”? 大谷翔平の球宴HRダービー出場に興奮するワケ

新井裕貴(SLUGGER編集部)

2021.06.19

日本人初のホームラン・ダービー出場が決まった大谷。しかしその価値は、日本人云々を超えたところにある。(C)Getty Images

日本人初のホームラン・ダービー出場が決まった大谷。しかしその価値は、日本人云々を超えたところにある。(C)Getty Images

 ニュースを見た時、思わず「やったぁ!」と声が出た方も多いのではないだろうか。

 現地時間6月18日、ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平は、自身のインスタグラムを更新。7月12日に行なわれるオールスターのホームラン・ダービーに出場することを表明した。

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「2021年のホームラン・ダービーへの参加を発表できることに興奮しています。コロラドで会いましょう」と綴った文言とともに、今季の本塁打などで構成された動画も投稿。多くのファンだけでなく、各種スポーツ媒体も、今を時めくスターの出場に興奮を伝えている。

 歴史という文脈から見ても、大谷のダービー出場は文字通りの偉業である。投手がホームラン・ダービーに参加するのは、過去90回を振り返っても初のこと。さらに、日本人選手が参加したこともなく、“前人未到”との形容は決して大げさではないのである。

 大谷は、先日発表されたオールスター投票のDH部門でダントツ1位の得票を得ており、イチロー(10回)、松井秀喜(2回)、福留孝介(1回)に次ぐ日本人4人目のファン投票での出場が濃厚だ(投手はファン投票の対象外)。オールスター選出回数は、選手の実績を振り返った時に一つの目安ともなる。当たり前だが、その年に活躍していないと出場は難しいからである。
 
 しかし個人的には、本戦出場よりもホームラン・ダービー出場の方が、多くの意味で“価値”があると思っている。それは先に述べた歴史的な意味もあるのだが、はっきり言って前夜祭の方が目立てるのだ。

 1985年に始まったホームラン・ダービーは何度かフォーマットを変えながら、2015年に大幅刷新。それまでは一定のアウト数になったら競技終了となっていたが、同年からは時間制に変更。さらに飛距離などの水準をクリアするとボーナスタイムが付与されるといった、かなりゲーム性の強い仕組みになっている。

 1ラウンド4分間、ファンは選手の豪快なスウィングにかじりつく。ただただ、そのスウィングを堪能する240秒。通常の試合であれば、投手や守備といったところにも目がいってしまうが、ホームラン・ダービーは純粋に打者へフォーカスすることになる。

 一方で本番のオールスター・ゲーム。攻守に見るべきところが多すぎてしまうし、もしお目当ての選手がいたとして、初球を打つようなら数秒で出番が終わる。しかも、できる限り全員を出場させるため、打席数は多くても3打席ほどしかない。明らかにホームラン・ダービーと比べると、目立ちづらいのだ。
 
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