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ボンズやプーホルスを彷彿とさせる超高等“テクニック”――斎藤隆が見た大谷翔平ホームラン量産の理由<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2021.07.12

シーズン39セーブを挙げたこともある名クローザー斎藤氏に、打者・大谷の“凄さ”はどう映っているのか。いわく、ある大打者たちと共通するポイントがあった。(C)Getty Images

シーズン39セーブを挙げたこともある名クローザー斎藤氏に、打者・大谷の“凄さ”はどう映っているのか。いわく、ある大打者たちと共通するポイントがあった。(C)Getty Images

 大谷翔平(エンジェルス)が、日本人選手としてはかつてない勢いで本塁打を量産している。このままいけば、アジア人史上初のホームラン王獲得も決して夢ではない。なぜ、大谷はメジャーの大舞台でこれだけ打てるのか。日本とアメリカで数多くの強打者と対戦してきた元メジャーリーガー、斎藤隆氏に大谷の凄さについて話を聞いた。

――まず、昨年までの大谷選手についてお伺いします。斎藤さんは、昨年までの打者・大谷の特徴や弱点についてどうお考えですか?

 昨年まではインコース、特に高めに弱点がありました。それに、左投手の外のスライダー、右ピッチャーだったらシンカーやツーシームといった外角に落ちるボールも苦手に見えた。いわゆる対角線のインハイとアウトローに弱点が多少あるなと思って見ていました。

 その一方で、本人は「外角が苦手」と言っていますが、リーチがあるので外角の球に届く範囲が日本人離れしているなと思っていましたね。メジャーレベルの外角のボールをさばくのが、どんどん上手になっている感じはしていました。ただ、インコースに関してはまだ長いリーチが邪魔になっていたり、球種によってはまったく対応ができていなかったりして、振りにいっても打球が上がらないのが昨年までの弱点でしたね。

【動画】月まで行った超特大アーチ! マリナーズ戦で放った大谷の最新HRはこちら
――今季はプルヒッティングの打球が多くなっていますが、インコースの弱点は改善されたと思いますか?

 今年はもはや、インコースは弱点じゃなくなってきていますね。角度がつくと、インコースを打った打球もホームランになってしまう。決して窮屈に腕をたたんでいる感じがないのが逆に不思議なくらいです。自然な形でスウィングしてインコースをさばいている。

 おそらくスウィングスピードが単純に上がっている分、インコースもある程度引きつけながらストライク、ボールの判断をしているんだと思います。あとは、やはり打球の角度が良い。インコースをさばいたときも「ホームランになる角度」になっていますね。

――角度が良くなっているということは、やはりスウィングをアッパーに変えたりしているんでしょうか?

 いや、スウィングの軌道が大きく変わったようにはあまり見えないですね。むしろ、真ん中から外ぐらいの球を引っ張ったときの方が、明らかにアッパースウィングになっているように見えます。インコースは単に上手に打っているという感じです。
 
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