新型コロナウイルスの影響で２年ぶりの開催となるMLBのオールスターゲーム。各国の名手たちが一堂に会する夢舞台に向け、俄然注目度が高まっているのが、ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平だ。

　今季の大谷は開幕から怒涛の快進撃を続けてきた。打撃ではメジャーリーグ全体でトップの31本塁打をマークしているほか、OPS（出塁率と長打率を足し合わせた値）も1.054とハイアベレージを記録。一方でシーズン前に不安視されてもいた投球も４勝をマークして防御率は3.49。さらに奪三振率11.44と安定感は以前よりも増している。
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　圧倒的な存在感を放つ27歳のサムライ戦士への関心度はすこぶる高く、オールスターDH部門での得票のうち63％の票を集めて選出。さらに選手間投票ながら、投手としてのオールスター出場も決めてしまった。

　投打での選出はMLB史上初の快挙。それだけに大谷への期待度はこれまでにないほど高まっているが、それは日頃から活躍するさまを見つめているチームメイトたちも同様だ。エンジェルスの主砲マイク・トラウトは、ファン投票決定後の会見でこう語っている。

「俺はショウヘイがオールスターという場所でなにをやっても、なにも驚かない。間違いなくショーになるんだ。あいつは馬鹿げたパワーを発揮して、広角に打ち分ける。ホームラン・ダービー用のボールなら場外に飛ばすかもしれない。絶対に見るべきだ」
  　かねてから「あいつは特別だ」と賛辞を口にしてきたトラウトは、米メディア『Sporting News』のインタビューでは、「誰もあまり気付いていないと思うけど、ショウヘイのメンタルは感銘を受けるぐらい凄い」と、傍らで見続けている者でしか分からない“天才スラッガー”のストロングポイントも強調している。

「本来、バッティングっていうものは難しいんだ。俺たちだって大部分で失敗している。だけど、ショウヘイは、失敗した打席をいっさい引きずらない。本当にすぐに切り替えるんだよ。それに加えて、彼はピッチングもやってるから驚きでしかない。８回を無失点で抑え、100球近く投げて、次の日に試合に出る。本当に信じられないね。

　本当に日本のスーパースターだ。いまじゃ、誰もが『オオタニならやって当たり前』って思っているけど、毎日試合に出続けて、中５日で投げる。そして次の日もプレーするメンタルはおかしいよ（笑）。ショウヘイはそれを日常的にこなしているから本当に凄い」

　当代屈指のスラッガーと称されている男にここまで言わせてしまう大谷は、やはり異次元だ。インタビューでトラウトは、最後にこう言い残している。

「野球をやっている子どもは誰もが彼の行動を真似すると思うよ。ショウヘイは失敗しても、腹を立てているのを見たことがない。常に笑顔でいる。そしてどんな時も努力を惜しまない。あいつはすべて、モノが違うんだ。かなりクレイジーだよ（笑）」

構成●THE DIGEST編集部
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