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「マウンドで埋め合わせができる」米メディアは打撃不振でも大谷翔平がMVP最有力と主張。「これくらいのスランプなら問題ない」

THE DIGEST編集部

2021.08.11

ピッチングが好調の大谷。打撃の復調も期待したい。(C)Getty Images

ピッチングが好調の大谷。打撃の復調も期待したい。(C)Getty Images

 リアル二刀流で開幕から飛ばしてきたロサンジェルス・エンジェルスの大谷翔平だが、ここにきてその打棒に翳りが見えている。8月に入ってからの9試合の打撃成績は24打数3安打で、打率は.125、打点は1にとどまり、本塁打は0。三振は10を数える。年間60本ペースで打ちまくっていた本塁打は、7月29日以来37本で足踏みを続けている。

 ただその一方で、タイトルレースでは依然として優位に立っている。本塁打ランキングは独走の甲斐あって、2位のブラディミール・ゲレーロJr.に2本差をつけて首位をキープ。またMVP争いに関しても、現地メディアは変わらず大谷が最有力候補であると伝えている。

 エンジェルスを追いかけているライターのエバン・デサイ氏は、スポーツ専門サイト『FANSIDED』に「ベースボールの顔は、スランプにもかかわらずトップに立っている」という見出しをつけて記事を投稿している。同氏は防御率2.93(規定投球回に達していないが、アメリカン・リーグ4位に相当)や、被打率.190(同1位に相当)、WHIP1.093といった優れたスタッツを紹介し、マウンドでの充実ぶりに注目。MVPの選定にあたり、投手大谷の好調が、打者大谷の不調をリカバリーできると主張している。 
 
「オオタニの最も優れた部分は、もちろん彼のユーティリティ性だ。今のように打撃が前半戦のようにはいかなくても、彼はそれをマウンドで埋め合わせることができる。マウンド上のパフォーマンスがあまりに圧倒的なので、これくらいのスランプならば問題ない。MVP争いでは優位を保っている。この賞を取ることに関して、ショウヘイが手の届かない存在のように見えるのは、素晴らしいことだ。もし打撃のスランプを寝かしつけられれば、さらに群を抜くだろう」

 実際、投手としては完璧に近い内容の試合が続いている。直近の4試合はいずれも6回以上を投げ、失点は2点以内。四球も4試合で2つだけで、3つの勝ち星をあげた。平均すれば、6.5回を投げて4.25安打、0.5四死球、5.75奪三振、1失点。二刀流でなくても十分以上の出来だ。

 現地時間8月8日までのロサンジェルス・ドジャースとの3連戦ではDH制がなかったため、大谷は代打出場となり、束の間の休息となった。8月10日からはトロント・ブルージェイズとの4連戦が行われるが、投手大谷の奮闘に、打者大谷は応えることができるだろうか。本塁打王の反撃に期待だ。

構成●THE DIGEST編集部
 

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