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「勝負しない理由がない」大谷翔平に38号弾を浴びた若手右腕が対戦を“回顧”。「学べるものが絶対にある」

THE DIGEST編集部

2021.08.12

久しぶりの一発を放った大谷(右)。被弾した若手右腕マノーア(左)は悔しさよりも、その経験が大事だと語る。(C)Getty Images

久しぶりの一発を放った大谷(右)。被弾した若手右腕マノーア(左)は悔しさよりも、その経験が大事だと語る。(C)Getty Images

 天才のバットが再び調子を取り戻し始めた。ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平は現地時間8月11日、本拠地で行なわれたトロント・ブルージェイズ戦に「1番・DH」で先発出場。3回の第2打席に14試合ぶりとなる今季38号本塁打を放った。

 大谷は8月に入ってから敵地でのインターリーグなどもあって出場機会が減っていたとはいえ、32打席で0本塁打、打率.111と苦戦を強いられていた。最後にアーチをかけたのは7月28日のコロラド・ロッキーズ戦までさかのぼり、状態に心配されたが、いよいよ復活の狼煙を上げて見せた。

 打った相手はブルージェイズ新進気鋭の23歳ルーキー、アレク・マノーア。2019年ドラフト全体11位指名でプロ入りした右腕は今季メジャーデビューすると、7月2日のタンパベイ・レイズ戦で7者連続奪三振の球団記録を樹立するなど、ここまで10先発して4勝1敗、防御率2.58、奪三振率10.32と好投を続けてきた。

 5試合連続でホームランを許していなかっただけに、大谷に一発を浴びてさぞ悔しいかと思いきや、マノーアは試合を終えてこう語り始めた。

【動画】大谷翔平が圧巻38号アーチ!打たれた投手も悔いはない
「俺はベースボールが本当に大好きで、戦うことが好きなんだ。そして、今後球界最高の投手になれると思っている。だから、オオタニのような選手たちと対戦して、アウトに仕留めていければ、ゆくゆくはそうした投手になれるはずなんだ」

 実際、初回は右飛、2打席目は一発を浴びた後の3打席目は、外角の2シームで空振り三振に仕留めて“リベンジ”している。それでも、メジャーを代表する打者との対戦は怖くないのかと訊かれた右腕はこう続けたのだった。

「オオタニと勝負するようなチャレンジを、自ら拒む理由がないね。例えホームランという結果になっても、それは重要じゃないんだ。彼のような選手と対峙できれば、俺はそこから学べるものが絶対にある。もっと成長していきたいんだよ」

 清々しいまでの向上意欲の塊。最強選手との対戦は、普通に考えれば成績が悪化する可能性が高くなるので避けたいのが普通だ。実際、大谷は結果を残していく中で四球や申告敬遠が増え、相手球団はリスク回避している。しかし、若きマノーアは“将来の糧”として、大谷との対戦を楽しんだようである。

 ブルージェイズにはブラディミール・ゲレーロJr.やボー・ビシェットをはじめ、野手のスター候補が多数いる。一方で投手は人材が不足がちで、長年エース不在に悩まされてきた。大谷との対戦すらも楽しんだマノーアは、そんな悩みを解決してくれる存在になるかもしれない。

構成●THE DIGEST編集部

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