第103回全国高等学校野球選手権大会は８月29日、ついに決勝戦が行われた。智弁和歌山と智弁学園の“智弁対決”となった大一番は、９対２で智弁和歌山が勝利を収め、同校３度目の夏制覇を果たした。

　試合は先攻の智弁和歌山が初回から攻め立てる。試合開始のサイレンの最中に１番の宮坂厚希がセンターへのツーベースを放っていきなり出塁。２番の大仲勝海もライト前ヒットで続き、４番の徳丸天晴がセンターへ大きな大きな犠牲フライを放ってまず先制。さらにその後も渡部海、高嶋奨哉にもタイムリーヒットが出て早くも４点を先制する。

　しかも智弁学園も反撃。２回裏に４番・山下陽輔が四球で出塁したのを皮切りに、次打者・垪和拓海が送りバントを成功させ、 植垣洸のタイムリー内野安打で初得点。さらに８番の谷口綜大もタイムリースリーベースを放って２点を返す。

　智弁和歌山は４回から中西聖輝、智弁学園も６回から小畠一心を起用。ともに準決勝で完投勝利を収めた両投手の投げ合いとなった。
 
　だが、智弁学園は小畠の登板と同時に守備が乱れ始める。智弁和歌山の３番・高嶋奨哉の内野フライを、三塁の山下が落球。さらに９番・大西拓磨の送りバントの場面で一塁の垪和が捕球ミスをして１死一、三塁に。そして、智弁和歌山はこの好機を逃さず、１番・宮坂がここでライトへタイムリーを放って５点目を入れる。さらに７回には高嶋が２死一塁からタイムリーを放って６点目。

　さらに８回には徳丸が２死一、三塁で右中間に２点タイムリーを放って８対２。さらに９回には渡部がレフトスタンドでソロ本塁打を叩き込んで９点目を挙げ、伝統の強打で一気に智弁学園を突き放す。

　そして９回裏。反撃したい智弁学園だが、智弁和歌山のエース、中西の前に三者凡退。16安打と圧巻の打棒で全国の頂点に立った。

構成●THE DIGEST編集部

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