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MLB

中田翔の暴行騒動はMLBだったらどうなった? ボンズやラミレスらの“有名事件”を例に考える

THE DIGEST編集部

2021.09.06

チームメイトに対する暴力騒動で日本ハムを退団した中田。その処遇は“野球の本場”アメリカであれば、どうなっていたのだろうか。(C)THE DIGEST

チームメイトに対する暴力騒動で日本ハムを退団した中田。その処遇は“野球の本場”アメリカであれば、どうなっていたのだろうか。(C)THE DIGEST

 先月4日に起きた中田翔のチームメイトに対する暴行事件の余波は今もくすぶっている。

 一度は日本ハムから無期限の出場停止処分を受けたが、わずか10日足らずで巨人への無償トレードが決定。出場停止はあくまでも日本ハムによるものだったため、移籍に伴ってリセットされて一軍に復帰した。球団からの事情説明が遅れた影響もあり、中田の去就や処遇は多くのファンやメディアから批判が殺到する事態に発展した。

 もっとも、海の向こうのMLBでは選手同士のいざこざはよく起きている。

 2019年9月にはパイレーツでこんな事件が起きた。クラブハウスでかける音楽をめぐって、クローザーのフェリペ・バスケスと中継ぎのカイル・クリックが殴り合いの喧嘩に発展。結局、後者が右手人差し指を骨折し、残りシーズンを欠場する羽目になった。

 言うまでもなく「みっともない」の一言に尽きる一件だ。だが、いずれも球団から特に処分は受けなかった(というより、直後にバスケスが児童性的虐待で逮捕されたため、それどころではなくなった)。

 この手の事件はMLBにおいては、かなりの頻度で起きている。そのため、しばらく経てば忘れ去られてしまう。だが、なかには今も多くのファンの記憶に残っているものもある。
 
 その代表格が、2002年に起きたバリー・ボンズとジェフ・ケントという2人のスーパースターによる試合中の大喧嘩だ。

 ともにMVP受賞者で、ジャイアンツでは3、4番コンビを組んでいたボンズとケントは、犬猿の仲でも有名だった。派手なプレースタイルで"オレ様"ぶり全開のボンズと、自他ともに認めるオールドスクールのケントはまさに水と油の関係だったのだ。

 事件が起きたのは6月25日。試合中に守備でミスを犯したチームメイトをケントがダグアウトで叱責しているところに、ボンズが割って入り、激しい口論に発展。小突き合う2人の姿はテレビカメラにもしっかり収められた。

 当然、メディアでも大きく取り上げられたが、当時のダスティ・ベイカー監督は「こういうことは大抵、強いチームで起きる。弱いチームはいつも馴れ合いだからね」と涼しい顔。2人に何の処罰も下さなかった。

 ベイカー監督の言葉通り(?)、チームはこの年、サンフランシスコ移転後44年目にして初のリーグ優勝を達成。試合中に公衆の面前で揉み合ったのは、大人げないとしても、その後の対応は大人そのものという不思議な一件だった。

 ボンズとケントの事件から遡ること10年前には、シンシナティで監督とクローザーがクラブハウスで大乱闘を繰り広げた。
 
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