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元MLB投手はなぜキレた? 球審にロジンを投げつけた“最悪の事件”を韓国紙が分析「一貫性のない判定によって」

THE DIGEST編集部

2021.09.13

完全に収まりがつかずに“大暴れ”してしまったモンゴメリー。その騒動が物議を醸し続けている。(C)Getty Images

完全に収まりがつかずに“大暴れ”してしまったモンゴメリー。その騒動が物議を醸し続けている。(C)Getty Images

 韓国で起きた前代未聞の事件が、波紋を広げている。

 すべての発端となったのは、現地9月10日、韓国KBOリーグのKTウィズ戦におけるサムスン・ライオンズの右腕マイク・モンゴメリーの振る舞いだ。

 先発マウンドに立っていた32歳が“キレた”のは、4回を投げ終えた直後だった。投球間隔を短くするために設けられた「12秒ルール」に関して球審から注意を受けた際に激高。暴言を吐いて退場処分を命じられると、あろうことか手に持っていたロジンバッグを球審に向かって投げつけたのである。

 ロッカールームへ去る際には、ユニホームをグラウンドに投げ捨てたモンゴメリー。MLBでも通算183試合に登板したベテラン投手の振る舞いは、「所属チームはもちろん、韓国野球を愚弄するものだ」(韓国ニュースサイト『Oh my news』)と非難された。

 ではなぜ、モンゴメリーはキレてしまったのか。韓国の日刊紙『朝鮮日報』によれば、原因は12秒ルールへの指摘ではなく、ストライクゾーンに対する不満だったという。
 
 同紙は「12秒ルールに対して、あそこまで興奮することはないはずだ。おそらく他に不快な何かがあったんだ」というライオンズのホ・サムヨン監督のコメントを紹介。そのうえで、「キム・ソンチョル球審の一貫性のない不安定なストライク判定によってフラストレーションが蓄積。そこに12秒ルールの指摘を受け、怒りが沸点に達した可能性が高い」とした。

 また同紙は「最悪の事件を作ったストライクゾーン」と銘打った別の記事で、今季から韓国球界でのストライクゾーンが極端に狭くなったと指摘。「審判によって差が激しく、一定の基準が存在しないというのが、大多数の意見だ」と論じている。

「さっきまでストライクだった所と全く同じコースに投げたボールの判定が変わる場面が出てくれば、当然、投手は納得しない。打者にとっても、前の打席で把握したストライクゾーンの外に投げられたボールに審判の手が上がれば、いぶかしさを持たざるを得ない」

 現在は、大邱市内で謹慎中だというモンゴメリー。球界を騒然とさせる大騒動を起こしてしまった32歳が、ふたたびマウンドに立つ機会は訪れるだろうか。

構成●THE DIGEST編集部
 
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