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プロ野球

【ドラフト候補タイプ別診断:「捕手」】ナンバーワンは中央大・古賀で決まり。市和歌山・松川ら高校生にも好素材<SLUGGER>

西尾典文

2021.10.09

攻守を兼備する古賀は今ドラフト最高の捕手と高い評価を集めている。写真:滝川敏之

攻守を兼備する古賀は今ドラフト最高の捕手と高い評価を集めている。写真:滝川敏之

 いよいよ11日に迫ったプロ野球のドラフト会議。今年も多くの選手に注目が集まる中、テーマ別に有力候補を紹介していく。今回のテーマは「捕手」だ。

 今年の捕手で総合的に見てナンバーワンと言えるのが古賀悠斗(中央大)だ。福岡大大濠高でも三浦銀二(法政大)とのバッテリーで甲子園でも活躍。大学進学後も早くから正捕手に定着し、2年秋には大学日本代表候補にも選ばれている。

 地肩の強さはもちろん、元々ショートだっただけあってフットワークも素晴らしいものがあり、速くて正確なスローイングは一級品。年々打撃も向上し、春のリーグ戦では3本塁打を放っている。秋は少し打撃の調子を落としているが、今年のナンバーワン捕手という高い評価は不動のものとなっている印象だ。

 大学生で古賀に続く存在と言えるのが久保田拓真(関西大)と福永奨(国学院大)の2人だ。久保田は強打が魅力のキャッチャーで、春のリーグ戦では11試合で3本塁打、15打点をマークしている。堂々とした体格をフルスウィングは迫力十分で、強肩も兼ね備えている。この秋はサードを守ることもあり、複数のポジションをこなせるのも魅力である。
 一方の福永はディフェンス型の選手。左右にぶれない正確なスローイングは一級品で、2.00秒を切れば強肩と言われるセカンド送球はコンスタントに1.8秒台をマークする。課題と見られていた打撃も今年に入ってから大きく成長しており、秋もここまで3割を超える打率をマークしている。捕手としての視野の広さも魅力だ。

 高校生では松川虎生(市和歌山高)、中川勇斗(京都国際高)、高木翔斗(県岐阜商高)、大津稜也(北海高)、加藤晴空(東明館高)などの名前が挙がる。総合的に見てリードしているのは圧倒的な打力を誇る松川だ。柔らかいスウィングで広角に鋭く打ち返し、長打力も申し分ない。巨漢ながらフットワークの良さも光る。

 守備面では中川の安定感が光る。ミットをしっかり止められるキャッチングと正確なスローイングは高校生離れしたものがあり、投手や守備に指示を与えるタイミングなども素晴らしい。小柄だが打撃も捕手らしく狙い球を絞ってフルスウィングできており、夏の甲子園では2本のホームランを放った。

 社会人は少し寂しい印象だが、独立リーグでは叺田本気(栃木ゴールデンブレーブス)の評価が高い。強肩と力強い打撃が魅力の大型捕手で、入団1年目ながら攻守に見事な成績を残した。独立リーグでは頭一つ抜けた存在で、ドラフト指名される可能性も高いだろう。

文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。

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