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プロ野球

吉田正尚はさすがのクオリティ。本塁打王の“ラオウ”は意外な部門でもNo.1に【表彰されざる男たち:パ・リーグ野手編】

藤原彬

2021.12.17

豪快な打撃が持ち味の“ラオウ”こと杉本だが、打撃以外にも隠れた武器がある。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

豪快な打撃が持ち味の“ラオウ”こと杉本だが、打撃以外にも隠れた武器がある。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

 個人タイトルの対象ではなくとも、プロの凄みが詰まった部門のベスト3を紹介していこう。今回はパ・リーグ野手編だ。(※率系部門は規定打席到達者29人が対象)

■OPS(出塁率+長打率)
1.吉田正尚(オリックス) .992
2.杉本裕太郎(オリックス) .931
3.柳田悠岐(ソフトバンク) .929

 総合的に優れた打者の証明であるOPSでは、首位打者と最高出塁率に加えて長打率もリーグベストの吉田が1位。本塁打王の杉本が続き、この部門で過去5回リーグトップに立っている柳田が3位に入った。リーグワーストは紅林弘太郎(オリックス)の.603で、10代にして2ケタ本塁打を放ったパワーは示したが、ダントツで低い出塁率.251が課題。

■四球率(四球÷打席)
1.浅村栄斗(楽天) 17.2%
2.西川遥輝(日本ハム) 16.3%
3.島内宏明(楽天) 16.2%

 浅村はキャリアハイにしてリーグ最多の101四球を選び、右打者ではリーグベストの出塁率.395をマーク。2年連続2位の西川は打率.233こそワースト4位ながら、持ち味の選球眼は健在で出塁率.362は10位だった。島内は4番に抜擢された今季、目覚ましく長打の数を増やしつつ、四球率や出塁率.385も自己ベストを更新した。
■三振率(三振÷打席)
1.吉田正尚(オリックス) 5.7%
2.鈴木大地(楽天) 8.1%
3.中村晃(ソフトバンク) 10.7%

 昨季とまったく同じベスト3。吉田はリーグベストのOPSを記録しながら、1試合複数三振は2三振が3回だけで驚くしかない。鈴木は初球打ちが73回と打撃が積極的で、中村は28回だけの慎重型。結果も打率.315と.250で開きがあった。甲斐拓也(ソフトバンク)はリーグ最多の142三振を喫し、三振率29.6%もリーグワースト。

■BB/K(四球÷三振)
1.吉田正尚(オリックス) 2.23
2.森友哉(西武) 1.22
3.中村晃(ソフトバンク) 1.19

 上位2人はいずれも豪快なフルスウィングを持ち味としながら、バットコントロールや選球眼も一流。吉田は前年同様に三振の数を20台に抑え、2倍以上の四球を選ぶ驚異的なアプローチを再現した。昨季は自慢の打撃が低調だった森は巻き返し、四球の数が初めて三振を上回った。中村は対右・対左投手とも打率2割4分台だが、BB/Kは対右の1.40に対して左投手には0.74と倍近い差。

■本塁打率(打数÷本塁打)
1.杉本裕太郎(オリックス) 14.9
2.マーティン(ロッテ) 15.4
3.レアード(ロッテ) 16.7

 キング杉本は本塁打量産ペースでもトップ。13本を放ったロッテ戦では6.6打数に1本のペースでスタンドに放り込んだ。2、3位にはロッテの助っ人が揃ってランクイン。他球団の外国人打者が苦しんだ中、コンビでリーグ最多の56本を記録した。昨季まで3年連続1位の山川穂高(西武)は14.92だったが、規定打席未到達。

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