専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
プロ野球

抜群の盗塁成功率を誇った中野。総合打撃指標OPSでMVPの村上を凌駕したのは?【表彰されざる男たち:セ・リーグ野手編】

藤原彬

2021.12.17

ルーキーながら盗塁王に輝いた中野は成功率93.8%もリーグトップだった。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

ルーキーながら盗塁王に輝いた中野は成功率93.8%もリーグトップだった。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

 個人タイトルの対象ではなくとも、プロの凄みが詰まった部門のベスト3を紹介する。まずはセ・リーグの野手から見ていこう。(※率系部門は規定打席到達者32人が対象)

■OPS(出塁率+長打率)
1.鈴木誠也(広島) 1.072
2.村上宗隆(ヤクルト) .974
3.牧秀悟(DeNA).890

 鈴木は首位打者(.317)と最高出塁率(.433)のタイトル獲得に加えて長打率.639もリーグベストで、総合的な打力を示すOPSも12球団で唯一1.000の大台を突破。昨季の1位から陥落した村上だが、初の本塁打王となり、出塁率.408と長打率.566は2位とMVPに相応しい成績だ。新人特別賞の牧は打率.314がリーグ2位、35二塁打は新人記録を塗り替えた。

■四球率(四球÷打席)
1.村上宗隆(ヤクルト) 17.2%
2.鈴木誠也(広島) 16.3%
3.マルテ(阪神) 14.1%

 四球数でリーグ1、2位の村上(106)と鈴木(87)が率でもワンツー。村上は2年連続1位、鈴木は11敬遠がリーグ最多だった。マルテは打率.258こそリーグ26位ながら出塁率.367は同7位と、バットを振らずともチームの得点力を底上げ。ワーストは小園海斗(広島)の2.7%で、打率3割に迫る巧打でアピールも課題を残した。 
■三振率(三振÷打席)
1.青木宣親(ヤクルト) 8.8%
2.宮﨑敏郎(DeNA) 9.3%
3.近本光司(阪神) 9.5%

 打撃成績は実質的キャリアワーストだった青木だが、三振率は前年から約6%も改善。昨季まで4年連続リーグベストの宮崎よりも少ない割合に抑えた。近本は有走者時と得点圏でともにリーグベストの7.0%を記録。一方で、新人の佐藤輝明(阪神)は驚愕のパワーを見せつけたが、三振率38.0%もダントツの高さだった。

■BB/K(四球÷三振)
1.マルテ(阪神) 1.03
2.鈴木誠也(広島) 1.02
3.青木宣親(ヤクルト) 0.98

 打席アプローチの成熟度を示す指標で、マルテと鈴木は三振よりも多くの四球を選んだ。2人とも長距離砲であることを考えれば一層価値が高い。マルテはメジャー通算4年で三振が四球の3倍を数えたが、来日後はしっかり改善している。こちらも佐藤輝明(阪神)がリーグワーストの0.14。ボールの見極めが来季の重要課題になりそうだ。

■本塁打率(打数÷本塁打)
1.鈴木誠也(広島) 11.4
2.村上宗隆(ヤクルト) 12.8
3.岡本和真(巨人) 13.4

 鈴木は本塁打王を分け合った村上と岡本以上のペースでアーチを放った。特に13本の9月は6.5打数に1本と驚異的な追い上げで、タイトル争いにも参戦。対戦相手別では村上が巨人戦、岡本はヤクルト戦が最少の打数(11.1/9.2)と、互いにライバルの目の前で量産した。規定打席未満ではオースティン(DeNA)が本塁打率13.3で3傑入りの水準。

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号