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メジャーデビュー戦でのサヨナラ弾、最強守護神を粉砕した一撃――ミゲル・カブレラ「3000安打から厳選した珠玉の5本」<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2022.04.24

パワーとテクニックを両立した全盛期のカブレラ。印象的な一打はいくつもある。(C)Getty Images

パワーとテクニックを両立した全盛期のカブレラ。印象的な一打はいくつもある。(C)Getty Images

 現地4月23日、ミゲル・カブレラ(タイガース)が史上33人目の通算3000安打に到達した。20年にわたるメジャー生活でカブレラが積み上げてきたヒットの中から、特に印象深い5本を紹介しよう。

▼メジャー初安打はサヨナラ弾(通算1安打)
 1999年にベネズエラ出身選手史上最高額(当時)の契約金180万ドルでマーリンズと契約したカブレラは、2003年6月20日のデビルレイズ(現レイズ)戦に8番レフトでメジャーデビュー。20歳と2ヵ月は球団史上2番目の若さだった。1対1で迎えた延長11回裏、1死二塁の好機で最初の4打席は凡退していたカブレラに打席が回ってきた。

 初球、アル・レバインが投じた真ん中内角寄りの甘いボールを見逃さず、すくい上げるように一閃。打球はセンター左側の客席へ飛び込んだ。メジャーデビュー戦でのサヨナラ弾は史上3人目の快挙だった。
▼敬遠球をタイムリー安打に(通算546安打)
 メジャー2年目から2年連続30本塁打をクリアするなど、早くから球界有数のスラッガーとして頭角を現していたカブレラは、次第に勝負を避けられるようになった。06年6月22日オリオールズ戦の延長10回、同点1死二塁。一打勝ち越しのこの場面で相手バッテリーが敬遠を選択するのも自然な成り行きだった。

 だが、当時はまだ申告敬遠のルールがなく、しかもマウンド上のトッド・ウィリアムズが投じたウエストボールは外し方が甘かった。カブレラが右足を踏み出して軽く合わせると、打球はセンター前へ。ウィリアムズが呆然と立ち尽くす中、二塁走者が悠々とホームインし、貴重な勝ち越しタイムリーとなった。のちに三冠王となる男が見せたバットコントロールは、まさに芸術的だった。

▼カメラも見失った特大の通算300号(通算1723安打)
 07年オフにトレードでタイガースへ移籍してからもカブレラの打棒は衰えず、特に12年は絶好調だった。開幕当初から高打率を維持しながら長打も量産し、7月21日時点で通算298本塁打。300号のマイルストーン到達を目前としたカブレラは翌22日ホワイトソックス戦、第1打席でこの年完全試合を達成した先発のフィリップ・ハンバーから本塁打を放って早くも大台にリーチをかけた。

 迎えた第2打席。カウント3-1からの5球目、ハンバーが投じた外角のボールを叩くと、打球は高々と舞い上がった。カメラも追いきれないほどの高い弾道の打球が画面に戻ってきたのは、バックスクリーンに突き刺さる瞬間だった。記念すべき300号到達をスタンディング・オベーションで祝うタイガースファンに対し、カブレラは高々と腕を突き上げて歓呼に応えた。
 

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