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プロ野球

【開幕1か月「MVP」と「逆MVP」|西武】ドラフト4球団競合の新人左腕・隅田がMVP。正捕手の森は不始末による骨折で痛い戦線離脱

nerimamo

2022.04.27

新人ながら堂々たるピッチングを披露する隅田(左)と怪我で戦線離脱を余儀なくされた森(右)。写真:THE DIGEST編集部

新人ながら堂々たるピッチングを披露する隅田(左)と怪我で戦線離脱を余儀なくされた森(右)。写真:THE DIGEST編集部

 3月25日に開幕したプロ野球は早くも1か月が経過。絶好調の選手、不振に苦しむ選手など早くも明暗が分かれている。全12球団の開幕からの「MVP」、「逆MVP」を挙げてみよう。今回は西武だ。

●MVP
隅田知一郎(投手)


 リーグ全体の「投高打低」傾向の後押しも受けてか、チーム防御率2.79(リーグ2位)と投手陣の意外な奮闘が続く西武。2年連続で開幕投手を務めた髙橋光成、平良海馬を始めとするリリーフ陣の働きも素晴らしいが、MVPには隅田知一郎を推したい。

 昨年のドラフトで4球団が競合したルーキー左腕はオープン戦3試合で防御率1.80と結果を残し、開幕2戦目の3月26日オリックス戦でデビュー。MAX150キロのストレートとチェンジアップ、スプリット、スライダーなど多彩な変化球で相手に的を絞らせず、7回1安打5奪三振無失点の好投でプロ初勝利を手にした。

 3登板目となった4月9日のソフトバンク戦では、味方打線から援護が得られぬまま力投を続け、6.2回4安打6奪三振無失点。チームは7連敗中と苦しむ中、堂々たる投球を見せた。4月23日の楽天戦こそ制球に苦しんでKOを喫したが、5登板で防御率2.89は十分すぎる成績だろう。中でも光るのは28.0投球回で被本塁打1本に封じている点。この打球管理能力を今後も持続できれば、新人王獲得も見えてくる。

【動画】開幕2戦目を任された隅田の堂々たるピッチングをチェック!
 
●逆MVP
森友哉(捕手)


 3年ぶりのV奪回には山賊打線復活が欠かせないが、まだ調子が上がっていない。外崎修汰、栗山巧、中村剛也と主力打者の不調も痛いが、最も大きいのは森友哉の故障離脱だろう。

 打率.167、OPS.427と開幕から調子が上がっていなかったが、4月2日のロッテ戦で途中交代後、ロッカールームでキャッチャーマスクを投げつけた際に右手人差し指を骨折。全治2ヵ月の見込みで、チームは開幕早々にリーグ屈指の打者を失うことになってしまった。それ以降は柘植世那と牧野翔矢がマスクをかぶり、守備では奮闘しているものの、攻撃面での穴は埋めきれていない。

 まだ26歳ながら投手陣に年下が増えてきたため、「若い投手を引っ張っていきたい」と事あるごとに口にしていた森。自身が骨折する直前には山川穂高も離脱しており、「自分がチームを引っ張る」という気持ちを強く持っていたことは想像に難くない。故障の経緯が経緯だけに「逆MVP」としたが、復帰した際には攻守でチームを牽引してくれると期待したい。

文●nerimamo

【著者プロフィール】
西武線沿線に生まれ、松坂大輔・松井稼頭央がキッカケでライオンズファンに。Twitterで試合のデータや編成に関する投稿をしているが、球場で応援することが最大の楽しみ。メットライフドームのグルメは日本一だと思っている。好きな言葉は「宣言残留」。

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