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プロ野球

課題だったストレートも克服!二軍で打棒爆発中の根尾昂が「竜の正遊撃手」となる日<SLUGGER>

久保田市郎(SLUGGER編集長)

2022.05.07

二軍で絶好調の根尾。これまで苦手としていたストレートを攻略するなど、打撃内容も進化している。写真:産経新聞社

二軍で絶好調の根尾。これまで苦手としていたストレートを攻略するなど、打撃内容も進化している。写真:産経新聞社

 いよいよ「その時」が近づいている。

 そう胸をときめかせているドラゴンズファンは少なくないだろう。

「その時」とはもちろん、根尾昂が一軍で正遊撃手となる日のことだ。

 大阪桐蔭高で藤原恭大(現ロッテ)、柿木蓮(現日本ハム)らと遊撃手兼投手として甲子園春夏連覇を達成し、2018年のドラフトで4球団競合の末、地元岐阜に近いドラゴンズに入団した根尾。与田剛監督(当時)がくじを引き当てた瞬間、ファンは文字通り歓喜した。球団史上未曽有の長期低迷にピリオドを打つのはこの男に違いないと、誰もが思った。

 だが、周囲の期待とは裏腹に、プロ入り後の歩みは苦難の連続だった。1年目は自主トレで右腓腹筋の肉離れのため出遅れ、ファームでも大苦戦。2年目でプロ初安打を記録するも打率.087(23打数2安打)。3年目は初の開幕一軍入りを果たし、プロ初ホームランも放ったが、再び打撃力不足を露呈して途中からは二軍生活が続いた。

 シーズン終了後に立浪和義新監督が就任すると、外野へのコンバートが決定。今季は2年連続で開幕一軍入りを果たしたものの出番は限られていた。すると立浪監督は4月下旬に二軍行きを告げるとともに、異例の遊撃再コンバートを決断。根尾本人も、元々遊撃へのこだわりが強かったことからすすんで受け入れた。

 すると、打撃でもこれまでプロではなかった猛打を発揮し始めた。

 5月3日のソフトバンク戦では満塁のチャンスで甘く浮いた変化球を仕留めて右中間を真っ二つに破る走者一掃のツーベース。5日のソフトバンク戦では大竹耕太郎からライトへ今季1号2ランを放つと、6日の阪神戦では今季初の猛打賞を記録した。この試合でも変則左腕の岩田将貴からレフトオーバーのツーベースを放つなど、ただ単に安打を重ねるだけでなく長打を量産できている点がこれまでと違う。
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