専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
MLB

最近13試合で打率.157――鈴木誠也の大不振で思わず頭をよぎる福留孝介メジャー1年目の悪夢<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2022.05.09

開幕直後の勢いはどこへやら、不振に苦しむ鈴木(左)。福留(右)のような惨状は避けたいところだが……。(C)Getty Images

開幕直後の勢いはどこへやら、不振に苦しむ鈴木(左)。福留(右)のような惨状は避けたいところだが……。(C)Getty Images

 開幕直後のロケットスタートで文字通りMLBを席巻していた鈴木誠也(カブス)が苦しんでいる。シーズン最初の11試合では打率.414、4本塁打を放っていたが、その後の13試合では打率.157、0本。あまりの急失速ぶりに、思わず2008年の福留孝介(カブス)の悪夢が頭をよぎった。
【動画】サイ・ヤング右腕を打ち砕いた! 好調時の鈴木誠也が見せたバッティングシーン

 渡米前は中日で2度の首位打者を獲得し、06年にはセ・リーグMVPにも輝いた福留は、07年オフにFA(フリーエージェント)権を行使してメジャー挑戦を表明。パドレスやホワイトソックスとの争奪戦の末に、カブスと4年4800万ドルの超大型契約を締結した。

 08年3月31日、本拠地リグリー・フィールドで行なわれたブルワーズとの開幕戦で、福留はサイ・ヤング賞獲得経験もあるメジャー屈指のクローザー、エリック・ガニエから9回裏に同点3ランを放つ鮮烈なデビューを飾る。

 この一発でカブス・ファンの心をがっちりつかんだ福留は、老舗のスポーツ雑誌『Sports Illustrated』の表紙にも抜擢されるほどの注目を集め、7月に行なわれたオールスターには、なんとファン投票で出場した。

 だが、後半戦に入ってからインコースの速球という弱点が露呈すると、次第に調子が下降。最終盤の9月はスタメンを外されるようにもなり、ファンやメディアからも掌を返された。さらにプレーオフでもまったく打てず、ルー・ピネラ監督から「もはやフクドメを使う意味はない」と言われる始末だった。
 
 改めて振り返ると、実は福留の失速が始まっていたのは後半戦からではなかった。月別の打率/出塁率/長打率/OPSを並べてみると以下のようになる。

4月 .327/.436/.480/.916    
5月 .293/.388/.404/.792
6月 .264/.387/.402/.789
7月 .236/.306/.382/.688    
8月 .193/.293/.253/.546
9月 .178/.289/.289/.577    

 ご覧のように、打率と出塁率は次を追うごとに右肩下がりで悪化している。福留がセンセーショナルな活躍を見せたのは、それこそ4月の1ヵ月間だけ。相手球団の投手が徐々にアジャストしていくなか、福留の方は対応できず、まさに竜頭蛇尾のシーズンとなってしまっていたのだ。

 もちろん、鳴り物入りでカブスに入団した日本人右翼手という共通点はあるものの、鈴木がから福留のようになるとは限らない。ただ、デビッド・ロス監督が「MLBはアジャストのリーグなんだ。そしてスズキも今、相手投手にアジャストしている最中なんだよ」と語ったように、今度は鈴木自身が相手に対応していかなければならない。

 日本球界で確固たる実績を残した侍ジャパンの4番のリベンジに期待したい。

構成●SLUGGER編集部

【関連記事】直近7試合で打率.115と低迷。“スランプ”に陥る鈴木誠也の現状を米専門メディアも不安視「打つべき球も打てていない」

【関連記事】元広島マスコットの“中の人”と鈴木誠也がまさかの再会! 敵地でのスナック差し入れに驚きも「ここで会えて嬉しかった」

【関連記事】「スズキ以外は思い当たらない」“MLBでは見られない”鈴木誠也の紳士的な行動に米記者感嘆!「対戦相手や審判でさえも驚く」
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号