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プロ野球

「111試合でマスク」「68安打」「ホームランでドカベン香川超え」――松川虎生に期待したい3つの“高卒新人捕手記録”<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2022.06.10

高卒新人捕手でここまで存在感を示した例は過去40年近くも例がない。それだけにさまざまな記録更新に期待がかかる。写真:THE DIGEST写真部

高卒新人捕手でここまで存在感を示した例は過去40年近くも例がない。それだけにさまざまな記録更新に期待がかかる。写真:THE DIGEST写真部

 高卒新人ながらロッテの正捕手として出場を続ける松川虎生の存在感が、日に日に増している。高卒ルーキーのキャッチャーでは史上3人目の開幕スタメンを勝ち取り、デビュー7試合目にして佐々木朗希の完全試合をリード。開幕から2ヵ月以上が経過した今も奮闘を続ける松川には、以下の3つの“高卒新人捕手記録”の更新を期待したい。

▼捕手出場111試合:山下健(1950年/阪急)、醍醐猛夫(57年/毎日) 更新難易度:★★★☆☆

 開幕60試合が経過した6月9日時点で、松川は31試合にスタメン出場。佐々木だけでなくエースの石川歩や、ベテランの美馬学からも信頼されており、このままいけば80試合前後にはマスクをかぶれるだろう。

「たった80試合?」と思うかもしれないが、これだけでも実はかなり難易度が高い。高卒新人捕手が80試合以上にマスクをかぶった例は、これまでにたった4人しかおらず、あの谷繫元信(89年/当時横浜)ですら届かなかった(75試合)。

 ましてや100試合の大台突破ともなると、上記の山下と醍醐の2人だけ。松川も現在のペースでは少し難しいが、他の投手陣からも信頼を得て出場機会を増やせれば可能性はある。65年ぶりの記録更新に期待したい。
 
▼68安打:醍醐猛夫(57年/毎日) 更新難易度:★★★★☆

 6月8日の中日戦では2度目のマルチ安打を記録した松川だが、それでも打率1割台と打撃では苦戦が続いている。たとえ100試合に出場できたとしてもやや厳しいが、それでもシーズン60安打の“大台突破”には期待したい。

 これもたった60安打と侮るなかれ。高卒新人捕手で60安打を突破した選手はたった3人しかいないのだ。近年の主な高卒捕手では、谷繁が27安打(89年)、炭谷銀仁朗(当時西武)が25安打(06年)、森友哉(西武)が22安打。30本の突破すらおぼつかない中、松川が彼らを超えるのはほぼ確実だ。今後打撃の調子を上げていけば、醍醐の記録更新も視野に入ってくるかもしれない。

▼8本塁打:香川伸行(80年/南海) 更新難易度:★★★★★

 高卒新人にとっては2ケタ本塁打ですら至難の業で、捕手ではぽっちゃり体型から“ドカベン”のニックネームで人気を博した香川の8本が最多。それでもこの記録は、高卒新人では歴代7位タイの数字となる。松川はいまだにプロ初本塁打を記録しておらず、更新の可能性は無きに等しいが、それでも「究極の目標」として紹介しておきたい。

 なお、香川の高校通算本塁打は41本(当時の史上最多記録)。対して松川は43本打っている。時代が違うと言われるかもしれないが、13年に高卒の捕手では歴代2位タイの6本塁打を放った森友哉も、高校時代の通算は香川と同じ41本。松川が打撃開眼すれば、あるいは……と思えなくもない?

構成●SLUGGER編集部
 
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