専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
プロ野球

ストレート22球で空振りなしも土壇場の精神的な強さは本物。「投手・根尾昂」の課題と長所<SLUGGER>

西尾典文

2022.06.18

投手転向が決まった根尾。“スーパー中学生”、甲子園優勝投手の天才の現在地は果たしてどこなのだろうか。写真:産経ビジュアル

投手転向が決まった根尾。“スーパー中学生”、甲子園優勝投手の天才の現在地は果たしてどこなのだろうか。写真:産経ビジュアル

 交流戦も終わり、レギュラーシーズン再開となったプロ野球。束の間のブレイク期間で最大のニュースと言えば、根尾昂(中日)の投手転向だろう。

 今シーズンはここまで26試合に出場して8安打、打率.211と目立った結果を残せていないとはいえ、開幕前は内野手から外野手へ登録変更、4月下旬にショートに再挑戦し、ここへ来ての投手転向。あまりの短期間の方針転換に対して賛否両論上がっているが、投手としての潜在能力の高さに期待する声も確実に存在している。今回はそんな「投手・根尾」の持つ可能性について、高校時代のピッチングと、今シーズンの登板から探ってみたいと思う。

 まず、根尾が最初に注目を浴びたのは中学時代のピッチングだった。3年時には早くも最速146キロをマークする“スーパー中学生”として全国的にも話題となっている。当時の投球は映像でしか見たことはないものの、スピードのある体重移動や鋭い腕の振りはとても中学生とは思えないものがあった。
 
 筆者が「投手・根尾」を初めて見たのは、2年春に出場したセンバツ高校野球の対静岡高戦だった。この時もストレートはコンスタントに140キロを超え、やはり年齢離れしたボールを投げていたのをよく覚えている。その後、3回にわたってピッチングを目にしているが、いずれも145キロ以上をマーク。高校生としては十分な速さを見せていた。

 とりわけ印象深いのが、唯一の負け試合となった2年秋の明治神宮大会の創成館高戦だ。この試合で根尾は「4番・遊撃」としてスタメン出場していたが、3回に自らのエラーもあって一挙4点を奪われ、3点をリードされた6回からマウンドに上がった。

 少し想定外の展開での登板だったせいかコントロールは少し不安定だったものの、最速146キロをマークしたストレートと縦のスライダーのコンビネーションは抜群。4イニングを1失点にまとめ、すべて空振りで7個の三振を奪ってみせた。

【動画】「投手・根尾」のピッチングをチェック!
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号