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OPSメジャー5位でも“大不振”のトラウト。MVP3度の最強選手に忍び寄る「衰え」の影<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2022.07.13

今季も好成績を残しているトラウトだが、衰えを感じさせる不吉なデータも……。(C)Getty Images

今季も好成績を残しているトラウトだが、衰えを感じさせる不吉なデータも……。(C)Getty Images

 着実に“その時”が近づいているのかもしれない――今季のマイク・トラウト(エンジェルス)のパフォーマンスには、「衰え」を感じざるを得ないものがある。

「おいおい、両リーグ5位のOPS.974を記録している選手が衰えただって?」とツッコミを入れたくなる人ももいるだろう。たしかに、トラウトは今でも超一流の成績を残している。

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 7月11日終了時点で勝利貢献度WAR3.8(『Baseball-Reference』版)は、ハイペースで本塁打を量産しているアーロン・ジャッジ(ヤンキース)を上回ってリーグ5位。OPS、24本塁打とも3位に入っていて、「表面上」は衰えなど一切感じさせていない。

 しかし、細かいデータを見ていくと不安が見え隠れしているのもまた事実だ。

 スラッガータイプとあって、三振自体は元々少なくない選手ではあった。だが、今季は4打席連続三振が3試合もあり、7月2日から3日にかけては自己ワーストの7打席連続三振も経験。三振率も自己最悪の29.3%まで悪化している。

 バットにボールが当たる確率自体が下がっていて、空振り/スイング率も初めて30%オーバー(31.3%)。近年は投手は進化が著しく、メジャー全体で三振や空振りが増加傾向にあるのは事実だ。それでも、トラウトは例年、三振率や空振り/スイング率でリーグ平均よりも優れた数値を残してきた。

 ところが今季は三振率がそれぞれMLB下位9%、下位18%に位置している。リーグ全体の傾向と比較しても、コンタクト能力が著しく減退しているのだ。
 
 さらに、レギュラー定着以降は毎年打率3割以上と得意にしていた速球系(4シーム・2シーム・カッター)に打率.255と意外なほど打てていない。ホームラン自体は14本記録しているとはいえ、ここでも空振り/スイング率が例年の倍近い28.6%と、振り遅れが目立っている。

 過去の統計から、多くの野手は27歳前後をピークに30歳以降は成績が悪化していくことが明らかになっている。動体視力の低下がその要因で、これがコンタクト率の低下&スピードボールへの対応力に直結している。トラウトは今年8月で31歳。MVP3度の最強選手も、他の多くの選手と同じく動体視力が衰えつつあるのかもしれない。

 7月12日に行われたアストロズ戦。トラウトは2打席連続三振に打ち取られると、背中の違和感により5回の守備からベンチに下がった。エンジェルスとの契約は2030年、39歳のシーズンまで続く。昨季途中まで在籍していたアルバート・プーホルス(現カーディナルス)のように、完全不良債権化してしまうトラウトの姿は見たくないものだが……。

構成●SLUGGER編集部

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