現球界で唯一無二の二刀流を貫いてきた天才が、偉人の大記録に迫った。

　現地時間７月22日、ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平が敵地で行なわれたアトランタ・ブレーブス戦に「１番・DH兼投手」で先発。６回（71球）まで無失点、被安打１、11奪三振と好投。しかし、７回に６失点を喫して、1918年のベーブ・ルース以来となる「シーズン二桁勝利＆二桁本塁打」の偉業達成とはならなかった。

　満員となった敵地のファンも唸る快投だった。相手は昨季のワールドチャンピオンだったが、初回から大谷は全く寄せ付けなかった。３回までに６奪三振をマークすると、その後も小気味よいピッチングを披露。味方打線が無失点に抑えられる苦しい展開となった６回には、野茂英雄氏を超える５試合連続二桁奪三振を記録した。

　疲労の色が見えた７回に大量失点は喫した。“野球の神様”ルース以来、104年ぶりの大記録に迫るなかでの投球は見事というほかにない。そんな大谷の今季のパフォーマンスに「彼はあまりに素晴らしい」と太鼓判を押していたのは、元ブレーブスのジョン・スモルツ氏だ。
  　現地時間７月20日に更新された米放送局『FOX Sports』のアナリストであるベン・バーランダー氏のポッドキャスト番組「Flippin' Bats」に登場したスモルツ氏。以前から「ただただ脱帽だ」と大谷を高く評価していた殿堂入り投手は、次のように賛辞を送っていた。

「多くの人たちがオオタニの成し遂げていることを理解していない。全くね。とくにピッチャーの経験がない人間は、彼の活躍を誰も享受できていないんじゃないかとすら思う。それぐらいに凄いんだ。あまりにダイナミックなピッチャーで、球種も一級品。もしも彼が投手に専念したとしたら、最高の投手の1人になる。まぁすでにそうなんだがね」

　さらにスモルツ氏は「我々はかつてないものを目撃している。彼がどれだけの間、投打両面で支配的なパフォーマンスを続けられるかは分からないけど、いま圧倒しているのは事実だ」とも断言した。

　MLB通算213勝＆154セーブを達成した名投手をして、ここまで言わせてしまう事実が大谷の凄まじさを如実に物語る。“野球の神様”以来の大記録に並んだ28歳のサムライの最盛期。貴重な今この時をじっくりと噛みしめたいところだ。

構成●THE DIGEST編集部

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