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MLB

立ちはだかる“104年の壁”。大谷翔平、MVPコールに感情露わの奪三振ショーも、ルースの偉業達成は再びお預けに

THE DIGEST編集部

2022.07.29

気迫のこもったピッチングを披露した大谷。(C)Getty Images

気迫のこもったピッチングを披露した大谷。(C)Getty Images

 現地時間7月28日、ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平は、本拠地で行なわれているテキサス・レンジャーズ戦に「1番・DH兼投手」で先発。6回(98球)、2失点、被安打8、11奪三振と好投した。

 初回から“波乱”に満ちたスタートだった。先頭打者から3連打を浴び、無死満塁のピンチを招くも、球場から「MVP」コールがこだましたなかで粘投。なんとか相手4番から三者連続三振をマーク。27球を要しながら無失点で切り抜ける。

 初回のマウンドから降りる際には、思わず高まった感情を表すように右拳を突き上げた背番号17は、ここからさらにギアが上げる。制球に苦しみながらも、2回に2者から三振を奪取すると、3回には1死一塁の場面で被打率10割(6打数6安打)の“天敵”ジョナ・ハイムを併殺打に仕留め、難を逃れた。

 ただ、投球の8割近くを占めたスライダーを捉えられる。4回に先頭の4番打者ナサニエル・ロウに外角低めのスライダーを引っ叩かれ、ライトスタンドにソロホームランを打ち込まれたのだ。

 その後はふたたび三者連続三振に切って取って1失点にとどめた大谷。しかし、疲労からか4シームのキレがなく、投球の幅が狭かったこの日は、決め球となる変化球を仕留められてしまう。5回には2死一塁でやや甘く入ったスライダーを、2打数2安打と当たっていた相手主砲コーリー・シーガーに痛打され、さらに1点を加点された。
 
 三振は5回9奪三振を相変わらずながら要所で精彩を欠いた「投手・大谷」。一方で味方打線も相手先発スペンサー・ハワードに決定打を放てず……。エンジェルスはますます劣勢となっていった。

 5回までに84球を要した大谷。米メディア『The Athletic』などに寄稿するブレント・マグワイア記者が「悪くないように見える」と評したように無四球と制球は定まっていたが、三者凡退で抑えたイニングは2回のみと苦戦は明らかだった。

 結局、6回を投げ終え、勝ち投手の権利を得られずに降板。球史残るレジェンドのノーラン・ライアンの球団記録(1977年に達成)に「1」と迫る6試合連続二桁奪三振をマークしたものの、前回登板に続いて、ベーブ・ルースの大記録達成は持ち越しに。

 快挙まであと一歩。しかし、そこには104年も誰もやってのけてこなかった記録が持つ難しさが存在しているのかもしれない。なお、この日の「打者・大谷」は6回までに3打数ノーヒットとなっている。

構成●THE DIGEST編集部

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