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MLB

「もう言い訳は通用しない」――三浦ベイスターズ快進撃の立役者! 伊勢大夢が絶対的セットアッパーへと成長した軌跡【DeNA】

THE DIGEST編集部

2022.09.23

マウンドに立てば、堂々としたピッチングを見せている伊勢。貫禄も見せ始めた3年目の右腕は、三浦ベイスターズのキーマンになりつつある。写真:萩原孝弘

マウンドに立てば、堂々としたピッチングを見せている伊勢。貫禄も見せ始めた3年目の右腕は、三浦ベイスターズのキーマンになりつつある。写真:萩原孝弘

 横浜DeNAベイスターズは、昨年の最下位から一転、首位のヤクルト・スワローズ迎撃を狙うまでの戦いを続けている。三浦大輔監督が就任2年目を迎えたチームは、“切り込み隊長”の桑原将志が急先鋒となり、後続には首位打者経験のある佐野恵太と宮﨑敏郎、そして2年目ながら打線の軸となっている牧秀悟がどっしりと居座っている。

 ネフタリ・ソトとタイラー・オースティンの両助っ人も加えた打線は、球界屈指のネームバリューと破壊力を秘める。ゆえに今年のDeNAは「打力が魅力のチーム」と思われがちだが、実際はリーグ2位の防御率3.46の投手力、とくに防御率3.14の救援陣の活躍が顕著だ。

 鉄壁のリリーバー陣の踏ん張りで勝利を積み重ねてきた。その中でもリーグトップの67登板と、投球数球(1016)、防御率1.67、球団記録更新中のホールドポイント40というハイアベレージをマークしているのが、プロ3年目の伊勢大夢だ。

 9月22日の巨人戦では、エドウィン・エスコバーの作ってしまった無死満塁のピンチで登板すると、中田翔、岡本和真、中島宏之をチカラでねじ伏せる圧巻のピッチングを披露。いまの伊勢には風格も漂ってきた。

 三浦監督も「ホントにキツい場面でも堂々としていますし、強気に行きながらも慎重にと、バランスが難しいなかでも腹くくって最高のピッチングをしてくれました。頼りがいのある男です」と評価する。

「これだけの試合数を重ねて、出ていく場面はシビアな場面が多いですから疲れも相当に溜まってるなかで、毎日のケアをして、疲れたところを見せずに準備してくれていますし、頑張ってくれています。本当によくやってくれています」
 
 大卒プロ3年目の伊勢はルーキーイヤーから33試合登板、防御率1.80と即戦力として活躍。昨年も“2年目のジンクス”を感じさせずに39試合登板。ブルペンの一角として機能した。そして今年はセットアッパーとしての座をしっかりと掴み、オールスターにも選出されるなど、一足飛びにスターダムを駆け上がった。

 躍進の秘訣は何か。伊勢がいの一番に挙げたのはメンタル面の改善だ。

「チームを支えている自覚もあるんで。心の余裕が全然違うかなと思います。今までは結果出さなきゃ出さなきゃと思っていたが、チームを背負わせてもらう立場になったので、言い方は悪いですけど一回失敗しても大丈夫かなぐらいな感じで。1点も取られちゃ駄目って言うのも、1点以内に抑えればいいっていう感覚です」

 リリーバーとしての責任あるポジションを掴み、またその座で結果を出し続け、いい意味でのリラックス効果が好循環を呼んでいるという。
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