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MLB

「ジャッジ9.9、大谷9.0。WARは接近している」記者を悩ますア・リーグMVP争いの基準値「トラウトはWAR10.5を記録したが…」

THE DIGEST編集部

2022.09.28

ア・リーグのMVPを争う大谷(左)とジャッジ(右)。果たして軍配はどちらに? (C) Getty Images

ア・リーグのMVPを争う大谷(左)とジャッジ(右)。果たして軍配はどちらに? (C) Getty Images

 61号がなかなか出ない――。現地時間9月26日、ニューヨーク・ヤンキースのアーロン・ジャッジは、敵地でのトロント・ブルージェイズ戦に「1番・右翼」でスタメン出場。ヒット1本を放ったものの、期待されていた61号は次回持ち越しとなった。チームは延長10回の末、2-3で敗れた

 ヤンキースもロサンゼルス・エンジェルスも残すところ9試合、シーズン後半戦の話題の中心となってきたジャッジと大谷翔平のハイレベルなMVP争いも大詰めにきている。

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 ヤンキースはすでにプレーオフ進出を決めており、2位トロント・ブルージェイズとのゲーム差は「7.5」、3年ぶりの地区優勝も極めて濃厚だ。現在、ア・リーグの本塁打ランキング首位を独走し、ロジャー・マリスが1961年に樹立したア・リーグのシーズン記録(61本)まであと「1」に迫っているジャッジの活躍によるところは大きい。

 しかし、記録という点では大谷もジャッジに引けを取っていない。昨シーズンア・リーグMVPに輝いた大谷は、今季も二刀流で圧巻のパフォーマンスを披露。先日のミネソタ・ツインズ戦では、日米を通じて自身初の200奪三振に到達。メジャーリーグで史上初となる「200奪三振&30本塁打」を達成し、再び歴史を塗り替えた。しかし、西地区で3位のエンジェルスは8年連続でプレーオフ進出を逃し、7年連続の負け越しも決定した。

 MVPはどれだけチームの勝利に貢献したかが数値化されるWARが基準として重視されているため、ジャッジが有利ではあるが、ノア・トリスター記者は『The Washington Post』の中で、以下のように述べている。「Baseball-ReferenceのWARによると、ジャッジは25日を迎えて9.9、大谷は9.0(26日時点で9.2)であり、この2人はかなり接近している」

 このような投票者を悩ませる高次元の戦いは今回に限ったことではなく、過去にも例があり、同メディアでは過去のハイレベルな肉薄した戦いとして、いくつか例を挙げている。

 その中でも最近の例として挙げているのが、ミゲル・カブレラ(デトロイト・タイガース)とマイク・トラウト(エンジェルス)による2012年のア・リーグMVPを巡る戦いだ。
「伝統的なスタッツと新時代のスタッツが争うレースで、三冠王のカブレラがMVPに輝いたが、投票結果は僅差だった。トラウトは新人ながら10.5WARを記録したが、2位に甘んじた。翌年もカブレラに次ぐ2位となったトラウトだったが、その後は3度のMVP(2014、16、19年)を獲得した」

 ちなみに、この2012年はトラウトのWARはカブレラのそれを大きく上回っていたが、“伝統的なスタッツ”である三冠王のインパクトが、WARの数値を凌ぐ結果となっている。

 かつて見たことがないほど、レベルの高い争いを繰り広げている大谷とジャッジ。WARではジャッジ優勢だが、果たしてどちらがMVPを受賞するのか。残り9試合に注目していきたい。

構成●THE DIGEST編集部
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