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アストロズをワールドシリーズに導いた新星ペーニャ。打撃開眼のきっかけは大谷翔平との対戦だった!<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2022.10.28

ルーキーながらポストシーズンで活躍を続けるペーニャ(左)。大谷(右)との対戦がスウィング改造の契機となった。(C)Getty Images

ルーキーながらポストシーズンで活躍を続けるペーニャ(左)。大谷(右)との対戦がスウィング改造の契機となった。(C)Getty Images

 ここ6年間で4度目のワールドシリーズ出場を果たしたアストロズ。このポストシーズンで特に目立っているのが、25歳のルーキー遊撃手ジェレミー・ペーニャだ。

 マリナーズとの地区シリーズ第3戦では、0対0で迎えた延長18回に値千金の決勝ホームラン。ヤンキースとのリーグ優勝決定シリーズでも、4試合で打率.353、2本塁打の活躍でMVPに選ばれた。

 ヒューストンの地元テレビ局KPRCのスポーツキャスターを務めるアリ・アレクザンダーによれば、この25歳の快進撃は「ある変化」がもたらしたものだという。

 昨季限りでチームを去ったカルロス・コレアの後継者として、今季開幕戦でメジャーデビューを果たしたペーニャ。順調に活躍を続けていたが、シーズン終盤は一時打撃不振に苦しんでいた。

 原因はタイミングのズレだった。スイングの際に足を高く上げるハイレッグキックが特徴だったペーニャだが、相手投手の変化球攻めなどで次第にバランスがおかしくなっていた。
 9月10日、ペーニャはある投手との対戦中にアジャストメントを加えた。大谷翔平(エンジェルス)だ。変化の鋭いスライダー、スプリッターを操る大谷に対し、ハイレッグキックの代わりにつま先を軽く上げてステップするトータップにしてタイミングを取りやすくした。その結果、外角スライダーに合わせてレフト前ヒットを放ったのだ。

「早めに地面を足に着けることで、ボールを見極めやすくなった」とは本人の弁。この一打をきっかけにペーニャは打者として一段上のレベルに到達し、ついにはチームをワールドシリーズの大舞台に導いたのだ。

 奇しくも、大谷自身も渡米1年目のオープン戦でメジャーの投手への対応に苦しみ、開幕直前にレッグキックをやめてすり足に近いスイングに変えたという経緯がある。世界最高の舞台で活躍するためには、持って生まれた才能はもちろん「適応力」の高さが求められるということなのだろう。新星ペーニャがワールドシリーズの舞台でどのような活躍を見せてくれるのか、改めて注目したい。

構成●SLUGGER編集部

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