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大谷翔平が「地球上で最高の選手」だったからこそのMVP。ジャッジが漏らした言葉に感じたヤ軍主砲の“本音”

THE DIGEST編集部

2022.11.19

最終的に「圧勝」という形でMVPとなったジャッジ。そのパフォーマンスはまさに圧巻の一語だった。(C)Getty Images

最終的に「圧勝」という形でMVPとなったジャッジ。そのパフォーマンスはまさに圧巻の一語だった。(C)Getty Images

 さまざまな論争を巻き起こしたレースに終止符が打たれた。現地時間11月17日、ア・リーグMVP投票の結果が発表され、アーロン・ジャッジ(ヤンキース)が1位票を28も集めて初の栄冠を手にした。昨季に満票で同賞を手にしていた大谷翔平(エンジェルス)は、2位にとどまった。

 全米野球記者協会(BBWAA)ロサンゼルス支部に所属する2人を除いた28人が、ジャッジに投じる大差のついた結果は、小さくない驚きだった。レギュラーシーズンにリーグ新記録となる62本塁打を放った怪物スラッガーは、MLB選手会選出の年間最優秀選手賞も手にしており、リーグMVPの受賞も確実視されていたが、下馬評では大谷との接戦が予想されていたからだ。

「永遠に語り継がれる究極の争い」。ジャッジと大谷による一騎打ちの様相を呈していた今季のMVPレースは、米メディアでも、そう報じられる機会は少なくなかった。1941年のテッド・ウィリアムズとジョー・ディマジオ、2012年のミゲル・カブレラ(タイガース)とマイク・トラウト(エンジェルス)などメジャーリーグ史で、さまざまな娯楽を提供したそれと見比べても、今季の争いは稀有であるという論調が目立った。

 一部では「ジャッジはヤンキースにいるから贔屓されている」「オオタニは日本人だから」など過激な主張が繰り広げられもした。文字通りのデッドヒートに身を置いた二人が、相当なプレッシャーにあったのは想像に難くない。それを物語るようにMVP受賞後にMLB公式ネットワークメディア『MLB Network』のインタビューに応じたジャッジは、こう心境を打ち明けている。

「もちろん、とても緊張したよ。そんなことを聞くなんて冗談でしょう?(笑)」

 ジャッジが所属したのは、言わずと知れた盟主ヤンキース。地区優勝争いを繰り広げるなかでの重圧は半端なものではない。しかも、今季は大谷をはじめとするライバルとの“パーソナルな争い”での勝利も求められた。本人が「とにかく毎日、懸命にやっていて楽しむ余裕はあまりなかった」と漏らすのも無理はない。
 
 数試合でも打てなければ、「スランプか」と叫ばれる。そんな凡人には理解しかねる重圧を受けるなかで30歳のスラッガーは集中力を研ぎ澄ませた。そして、投高打低が叫ばれるメジャー球界でロジャー・マリスのア・リーグ記録を更新する62本塁打に加え、131打点、出塁率.425、長打率.686、そしてOPS1.111と軒並みリーグトップのハイスタッツをマーク。客観的にみても、彼のパフォーマンスは圧巻の一語であった。

 そんなジャッジは、大谷らとのMVPレースをこう振り返っている。

「僕は球界でも最高の打者であるアルバレス(アストロズ)と、地球上で最高の選手である大谷翔平が相手だったから何も推測せずにいた。彼らも信じられない年を送っていたからね。浮き沈みが激しい1年でもあったから心底楽しめたわけではないけど、シーズンが終わったこの2週間ぐらいで、じっくりと1年を振り返って、どれだけ自分が良かったかを確認することはできたよ」

 大谷という「地球上で最高の選手」と争えたからこそ、ジャッジは感極まったのかもしれない。本人が絞り出した言葉からは、“本音”が滲み出たように思えた。

構成●THE DIGEST編集部

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