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プロ野球

5年間落ちなかったフォークが「たった5秒で落ちるようになった」。西武の今井達也が今冬に掴んだ大きな手応え<SLUGGER>

岩国誠

2023.01.22

グラウンドで投げ込む今井。自らの身体に対する理解を深め、今季こそエースとして飛躍するか。写真:岩国誠

グラウンドで投げ込む今井。自らの身体に対する理解を深め、今季こそエースとして飛躍するか。写真:岩国誠

 昨季に高橋光成や松本航とともに、西武の「先発三本柱」として大きな期待を寄せられていたのが、7年目の今井達也だ。しかし、開幕直前の故障から大きく出遅れた彼は、最終的に登板はわずか9試合。5勝1敗という成績に終わった。

 今季こそ、フルシーズンで結果を残す――。今井はその思いを胸に、今年は福岡県久留米市内などで行なわれている鴻江スポーツアカデミー主催の合同自主トレに、チームメートの隅田知一郎、大曲練とともに初めて参加した。

「自分の長所を活かそうというのがメインテーマです。自分には何があっているのか、どういう練習をしていったらいいかを学びに来たという感じですね。めちゃくちゃしっくり来ています。ブルペン入る以外にも、いろんな身体にあった動きのドリルだったりとかいろいろ教えてくださるので、自分の身体を正しく使うことをメインに今年一年、やっていきたいと思います」

 この自主トレで指導にあたっているのが、アスリートコンサルタントの鴻江寿治氏だ。千賀滉大(メッツ)や菅野智之(巨人)も師事したほか、ソフトボールのオリンピック金メダリスト上野由岐子(ビックカメラ高崎)など、野球選手だけでなく多くのスポーツ選手もその理論に触れ、大きな飛躍を遂げている。
 
 鴻江氏の理論では動作を行なううえで、腕から始動してタイミングをとるほうが良い「うで体」と、下半身から始動してタイミングをとった方が良い「あし体」の2タイプに分類。今井が該当するのは「あし体」で、千賀と同タイプになる。今回参加しているメンバーでは、チームメートの大曲や、ロッテの種市篤暉も「あし体」に分類されている。

 ランメニューなどを行った後でグラウンドに移動し、それぞれの身体に即したエクセサイズやキャッチボールを行なう。その後、参加選手が一人ずつマウンドにのぼり、ピッチングが始まる。投球フォームを撮影した映像を1球ごとに確認しながら、ひとりにつき30~40分。タイプにあった身体の使い方を、鴻江氏が身振り手振りで伝える。

 グラウンドでのメニューが終了し、夕食や身体のケアなどを終えた後には、撮影した映像を全体で見ながら、ディスカッションを行う時間が設けられている。「自分のクセはわかりづらいが、他人のクセは分かりやすい」と鴻江氏。それぞれがタイプにあった身体の使い方ができているかを確認しあうと、自らの動きにもフィードバックできるのだという。

 今井は合同自主トレ参加前に、鴻江氏の書籍を熟読した。その理論をしっかり頭に刻み込んできたが、実際に指導を受けると、思っていた以上の新しい発見があった。それは、試合では1球も投げてこなかったフォークボールを投げた時だった。
 
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