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侍ジャパン

もっと見たい――。降板時に起きたファンの熱狂。東京ドームでの“異様な光景”に感じた大谷翔平の凄さ【WBC】

THE DIGEST編集部

2023.03.10

ヒーローインタビューで登壇し、割れんばかりのファンの声援に応える大谷。その一挙手一投足に熱視線を注がれた。写真:鈴木颯太朗

ヒーローインタビューで登壇し、割れんばかりのファンの声援に応える大谷。その一挙手一投足に熱視線を注がれた。写真:鈴木颯太朗

 3月9日に東京ドームで開催されたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の1次ラウンドプールBの初戦で、日本代表は中国代表と対戦。6年ぶりに開催された“世界大会”の栄えある初陣で、侍ジャパンの先発マウンドに立ったのは、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)だった。

 中国打線は手も足も出なかった。栗山英樹監督が「状態的には良くなかった」というように盤石のコンディションではなかったが、2度も160キロを計測した4シームと、変化量や速度を自在に操ったスライダーを中心に相手打者を翻弄。打たれたヒットは4回にヤン・ジンにレフト前へ打たれたもののみで、結局、4回(49球)、5奪三振という貫禄のある内容で降板をした。

 そんな二刀流戦士の凄みを見たのが、彼の降板が場内にコールされた時だった。「ピッチャー、大谷に代わりまして、戸郷」とアナウンスされると、地鳴りのように「えーーーー!」と驚く観客の声が響いたのだ。

 今春の実戦登板は来日直前の先月28日に行なったオークランド・アスレティックス戦(オープン戦)のみ。しかも、その時は2回(39球)を投げて降板していた。ゆえに今回の登板は“ぶっつけ本番”。さらに球数制限(65球)が設けられているWBCのルールを考えても降板は妥当だった。

 おそらくスタンドにいた多くの野球ファンが降板の決断には理解を示すはずだ。しかし、「もっと見ていたい――」。場内にこだました声は、そんな人々の想いが形となったものだった。
 
 異様とも言える声だった。しかし、降板をする際に「えーー!」と言われる選手がいったいどれだけいるだろうか。プロの世界でも極稀ではないだろうか。それを表すかのように、試合中継を担った『Amazon Prime』にゲスト解説として招かれた王貞治氏は興味深いことをつぶやいていた。

「欠点がない。投げる球も打者としても全てが素晴らしい。今日は自分の目で見られるのは本当に幸せなこと。僕も自分の目で確かめたくて来ました」

 通算868本塁打という世界記録を持ち、“世界の王”と崇められる同氏をして、ここまで言わしめるのも、やはり大谷ぐらいではないだろうか。

 投打で見せつけたハイパフォーマンスで世界を席巻してきた。8対1での侍ジャパンの勝利に貢献したこの中国戦では、世界中の人々を惹きつける天才の凄みを見た。

取材・文●羽澄凜太郎(THE DIGEST編集部)

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