専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
MLB

放射線治療で髪が抜けてしまった患者たちのために…自身もがんを克服したホワイトソックス守護神の「深イイ話」<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2023.06.06

数々のチャリティ活動を展開しているヘンドリクス夫妻。がん治療中も、他者を助ける精神を忘れなかった。(C)Getty Images

数々のチャリティ活動を展開しているヘンドリクス夫妻。がん治療中も、他者を助ける精神を忘れなかった。(C)Getty Images

 5月30日のエンジェルス戦で、がんからの復帰登板を果たしたリアム・ヘンドリクス(ホワイトソックス)。通常なら6ヵ月を要する治療を4ヵ月で終え、驚異的なスピードでメジャーのマウンドに戻ってきた守護神には、球界内外から称賛の声が集まった。

 だが、ヘンドリクスの偉業はそれだけではない。並外れた闘志と努力でリハビリを続ける一方で、彼は同じ病に苦しむ他の患者へのサポートも惜しまなかった。
 
 よく知られているように、がんの三大治療法の一つとされる放射線治療を受けた場合、髪が抜けてしまうという副作用がある。そのため、多くの患者はウィッグ(かつら)を使うのだが、とりわけ15~39歳の若年成人層の患者は治療費用がかさんでウィッグを買えなかったり、予算内では希望通りのウィッグが手に入らないケースが後を絶たないのだという。

 そのことを知ったヘンドリクス夫妻は、2万4000ドル(約335万円)を投じて、自身が治療を受けていたアリゾナ州フェニックスのクリニックにストックされていたすべてのウィッグを買取り、患者たちが自由に選べるようにしたのだ。
「自分たちもあれだけ過酷な状況の最中にいたのに、彼らはそれでもどうすれば他者を助けられるか考えていたのです」

 ESPN.comでジェフ・パッサンが綴った記事の中で、クリニックの関係者はそう言ってヘンドリクス夫妻を称えている。

 実は、ヘンドリクス夫妻は以前からさまざまな慈善活動に関わっている。ドミニカ共和国での貧困撲滅運動、動物愛護やLGBTQ、PTSDに苦しむ退役軍人への支援など、文字通りに枚挙に暇がない。そうした活動が評価され、昨年はロベルト・クレメンテ賞にもノミネートされている。

 メジャーに復帰した日、本拠地ギャランティード・レート・フィールドの観客たちは、ヘンドリクスが試合中にブルペンへ向かうだけで盛大なスタンディング・オベーションで迎えた。おそらく、遠く離れたフェニックスからも、ヘンドリクスへ声援が贈られていたに違いない。

構成●SLUGGER編集部
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号