専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
プロ野球

【2019引退・野手】名球会入りした阿部慎之助や福浦和也。日本一を知る今江年晶、田中賢介らも現役に別れ

藤原彬

2019.12.31

阿部には後進の育成が託された。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

阿部には後進の育成が託された。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

 新シーズンに向けて各球団が戦力を整備する一方で、今年も多くの選手が引退を表明した。監督やコーチ、スタッフとして球団に残る者がいれば、新たな道に歩み出す者もいる。新年を迎える前に、まずは今季限りで現役生活に別れを告げた野手の活躍を振り返ろう。
 
 通算2000安打の金字塔を打ち立て、名球会入りを果たした阿部慎之助(巨人)と福浦和也(ロッテ)が引退を表明した。2人は二軍の監督・コーチとして残留し、それぞれチーム一筋に20年目と27年目を迎える。

 歴代でも指折りで“強打の捕手”に数えられる阿部は、01年に新人捕手では2人目の2ケタ本塁打(13本)を放つと、その記録を歴代3位の18年連続まで伸ばした。12年には首位打者(.340)と打点王(104)のタイトルを獲得し、打撃三冠はならずも出塁率(.429)、長打率(.565)、OPS(.994)でリーグトップ。「主将・四番・捕手」の重責を担いながらMVPを受賞する活躍でチームを日本一へと導いた。現役晩年は一塁にポジションを移し、最後は捕手へのこだわりを口にしたが、今季は代打がメイン。自身8度目のリーグ優勝に貢献して、花道を飾っている。

 福浦は93年のドラフト7位で全体の最後に名前を呼ばれてプロ入り。投手としては目が出なかったが、一途に安打を積み重ね、打者として球史に名を刻んだ。“イチロー後”が注目された01年にはリーグトップの打率.346を残して首位打者を獲得し、同年から6年連続で打率3割をクリア。鋭い打球を広角に飛ばし、03、04年はリーグ最多の二塁打(50/42)を放った。一塁の守備でもゴールデン・グラブ賞を3度獲得し、現役最後となった今年9月23日の試合では、9回2死から横っ飛びでライナーを掴んで喝采を浴びた。
 
 今江年晶(楽天)と田中賢介(日本ハム)はともに高校時代はショートとして名を売ったが、プロ入り後に転向。適応を重ねてチームの主力選手へと成長し、それぞれロッテと日本ハムの日本一に貢献した。

 名門PL学園高で強打者として評価を集めた今江は、長距離砲でなくアベレージヒッターとして頭角を現す。日本シリーズでは05年に15打数10安打、新記録の打率.667を樹立し、10年も打率.444と打ちまくって2度のMVPに輝いた。通算での三振率11.5%は福浦(13.7%)より低く、坂本勇人(14.8%/巨人)や秋山翔吾(15.0%)と比較しても優れている。プロ入り後に取り組んだサードでも、05年から4年連続ゴールデン・グラブ賞を受賞。16年に楽天へ移籍したが、右目の不調により今季限りでの引退を決断した。
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号