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プロ野球

2020年巨人の「理想」のオーダーは?昨季の形を崩し「3番・大城」「4番・岡本」で新たな看板を形成

氏原英明

2020.01.23

出塁率が高く、どの打順であってもフレキシブルに対応できる丸は非常に貴重な存在だ。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

出塁率が高く、どの打順であってもフレキシブルに対応できる丸は非常に貴重な存在だ。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

 キャンプインまであと約1週間。この時期の楽しみといえば、今季の布陣を夢想することだろう。どうすれば、チームのポテンシャルを最大限に引き出せるのか。ここでは、現在の戦力を分析し、得点力向上が見込める「最良のオーダー」を考察する。

    ◆    ◆    ◆

 昨季覇者のポイントとなるのは、1番打者を誰にするかだろう。

 昨季は吉川尚輝でスタートした。11試合で出塁率.432と快調な滑り出しだったが、腰痛で長期の戦線離脱を余儀なくされた。吉川尚が復帰できれば、そのまま1番にしたいところだが、まずは状態を確認する必要がある。

 それを踏まえて、オーダーを立ててみた。

1(中)△丸佳浩
2(遊) 坂本勇人 
3(一)△大城卓三 
4(三) 岡本和真 
5(左)△G.パーラ 
6(右)△亀井善行
7(二)△田中俊太(吉川尚輝)
8(捕) 小林誠司 
9(投) ―― 
※△は左打ち
 
 昨季の巨人打線の看板だった「2番・坂本」、「3番・丸」の形を組み替えるのは勇気がいるが、どの打順であってもフレキシブルに対応できる人材は丸しかいない。圧倒的な選球眼と高い走塁能力を持つ丸でテーブルセットし、坂本のヒットで簡単に点を奪える状況を作る。

 そして、異論は承知で3番に大城を入れた。昨季は109試合で打率.265、出塁率.330、OPS.718と突出した数字はない。ただ、その一方で彼の打撃の潜在能力の高さは誰もが知るところだ。

 2000年代の“常勝”巨人は、「捕手」阿部慎之助の存在が大きかった。大城の打撃面が開花し、捕手としても活躍ができれば、打順を組む際にも大きなアドバンテージになる。もし結果が残せなければ、昨季のように2番・坂本、3番・丸の形に戻せばいいだけのこと。「理想」で語れば、大城のチーム内における価値が高まり、大城、岡本和真でクリーンアップを形成できれば、近未来の看板にもなり得る。まずはバッティング面で進歩を見せてほしい。

 こうして、左(丸)→右(坂本)→左(大城)→右(岡本)と厄介なジグザグ打線が組めると、バランサーとしてメジャーでも活躍したパーラ(左)もより効果的に機能してくるはずだ。

 もっとも、下位打線に左打者が偏ってしまうのは課題になる。外野手では陽岱鋼、石川慎吾、二塁手ではスイッチヒッターの若林晃弘、山本泰寛などに期待が高まるが、現状は右翼手は亀井がリードし、二塁手は吉川尚の復帰と田中俊太の争いになるだろう。

取材・文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)

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【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園という病』(新潮社)、『メジャーをかなえた雄星ノート』(文藝春秋社)では監修を務めた。

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