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プロ野球

「怪我さえしなければ苦しい投球をしながらシーズンを終えることはなかった」――宮城大弥が2024年シーズンを総括!【オリ熱コラム2024】

THE DIGEST編集部

2024.11.21

山本がメジャー移籍したことでエースの座を期待された宮城だが、今季は不完全燃焼。最終戦では涙も見せた。写真⚫︎野口航志

山本がメジャー移籍したことでエースの座を期待された宮城だが、今季は不完全燃焼。最終戦では涙も見せた。写真⚫︎野口航志

 10月6日、楽天を相手に行われたオリックスの今シーズン最終戦で、オリックスは7回1死で雨天コールド勝ちを収めた。ナインは複雑な表情を浮かべ、この日先発を務めたエース宮城大弥は人目をはばからず涙を流した。どうしてそんなことになったのか。

 この試合で宮城は7.1回まで投げることができれば規定投球回をクリア。さらに8.1回を1失点以下で抑えることができれば最優秀防御率のタイトルも手に入る大一番だったからだ。この日は天候が不安定だったものの、宮城は何球でも投げる覚悟が見せていた。中断まで1失点を喫しながらも、楽天打線が宮城をこれ以上打てる雰囲気はなかっただけに、このコールドの判断は残酷なものだった。さらに試合後には中嶋聡監督が退陣を表明。オリックスにとっては何ともスッキリとしない仙台遠征だった。

 今年は開幕投手を務めたものの、前半戦は離脱もあった宮城。だが、一軍に復帰すると球の切れ味が増し、山本由伸(ドジャース)に代わるエースの名に恥じないピッチングを続けていた。結局規定には届かなかったが、20試合に登板して防御率は1.91と立派な成績る。「投げていくごとに良くなったんじゃないかなと思いますし、球数も増えるようになって、 本来投げてる感覚に戻ってきたのかなとは思います」と、復帰後は登板のたびにピッチングの感覚を取り戻したことを明らかにしている。
 
 最終戦の涙の理由を「いやもう、まあまあ悔しい部分もありますけど、 その規定投球回に関しては絶対行けた自信というか、試合があれば、もうあそこはもう100%どれをとっても規定投球回は絶対行けたっていう自信あったので、そこの悔しさがちょっと大きかったなと思います」と明かした宮城。タイトルより、エースとして規定投球回に届かなかったのが悔しかったようだ。

 中嶋監督からも最後にやり返せよみたいなことを言っていただきました」と、励ましの言葉をもらったと明かした宮城。「怪我さえしなければ規定も行けましたし、苦しい投球をしながらシーズンを終えることはなかったので、まずはしっかり体に気を使いながらオフシーズンを過ごしたい。体を強くしながら1年しっかり耐えれるような体を作っていきたいなとは思います」と課題を再確認した。

 本人が希望していた秋季キャンプの参加は見送られたが、岸田護新監督は来シーズンの開幕投手に早くも宮城を指名し、2年連続での大役が決定している。早々に公言してもらったことで調整もしやすくなり、余計な雑音が気にならなくなる狙いなのかもしれない。宮城は来年こそ、エースとして1年間フル回転してもらわないと困る選手。嬉し涙を流せるように頑張ってもらいたい。

文⚫︎THE DIGEST取材班
写真⚫︎野口航志
 

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