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NBA

“ザ・ショット”の舞台裏――ジョーダンとロッドマン、2人の信頼関係が生んだNBA屈指の名場面

北舘洋一郎

2020.02.24

マジックに敗れ猛練習を課していたジョーダン(左)の下に、ロッドマン(右)が合流。そしてブルズ2度目の3連覇が始まった。(C)Getty Images

マジックに敗れ猛練習を課していたジョーダン(左)の下に、ロッドマン(右)が合流。そしてブルズ2度目の3連覇が始まった。(C)Getty Images

 マイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)の黄金時代。観戦していて何が楽しかったのかと言われれば、コート上でジョーダンが見せてくれる神懸かり的なパフォーマンス。今までに味わったことのない感動なのか、それとも驚きなのか、とにかくなんと表現したら正しいのか、言葉に言い表わせない気持ちをジョーダンは我々に与えてくれた。それも毎試合だ。

 唯一、ジョーダンのことを残念と感じたのは1995年のプレーオフ、イースタン・カンファレンス決勝でアンファニー・ハーダウェイとシャキール・オニール率いるオーランド・マジックに2勝4敗で破れた時ぐらいなものだ。ジョーダンはその年の3月に野球挑戦を諦め、NBAに復帰したばかりだった。
 
 シリーズ敗退後に「もうジョーダンは前と同じジョーダンじゃない」との挑発的なコメントを対戦相手のニック・アンダーソンに食らったジョーダン。相当悔しかったのだろう、ジョーダンはシーズン終了後に猛トレーニングを重ね、王座奪還へと準備を進めた。

「俺と(ロン)ハーパーを呼んで、ジョーダンは朝の練習は欠かさなかった。チーム練習よりもこちらの方が激しいコンペティションだった」

 そう話すのは、ジョーダンとともにブルズ王朝を築いたスコッティ・ピッペンだ。

 そしてジョーダンと研鑽を積んだことにより、これまでリーグのトップスコアラーだったハーパーはディフェンダーに転身、才能を一気に開花させることになる。このコンバートは2度目のスリーピートを達成する上で、重要な1ピースとなった。

 これについてハーパーは「自分はシューティングガードとして、ずっとスコアリングにこだわりを持っていた。だけど何度もヒザを故障し、以前のようにクイックに動けず衰えを感じていたんだ。長いトンネルに入っていたよ。しかしジョーダンと何度も1オン1で対峙することで、ディフェンスのコツが掴めた。もちろんフィル・ジャクソンHC(ヘッドコーチ)からの提案もあったが、自分の新たな発見でチーム内での役割を得たことは、キャリアにおいて意味あるものとなった」と話している。
 
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