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NBA

NBA史上最強のPFダンカン、歴代最高クラスの司令塔ポールを輩出したウェイクフォレスト大は実績以上の存在感を醸し出す【名門カレッジ史】

出野哲也

2020.03.09

ウェイクフォレスト大最高の選手はダンカン。在学時代はネイスミス賞をはじめ、個人タイトルを総なめに。(C)Getty Images

ウェイクフォレスト大最高の選手はダンカン。在学時代はネイスミス賞をはじめ、個人タイトルを総なめに。(C)Getty Images

 ノースカロライナ州は、アメリカで最もカレッジバスケットボール熱の高い地域のひとつだ。NCAAトーナメント(以下トーナメント)を制したチームも多く、ノースカロライナ州大が2回、デューク大が5回、そしてノースカロライナ大(UNC)は6度も全米王者に輝いている。

 これらの強豪校に阻まれていることもあり、ウェイクフォレスト大は優勝どころか、ファイナル4進出も1度しかない。UNCやデューク大に比べ、学校自体の規模が小さいため致し方ない部分もある。それでもNBA史上最強のパワーフォワード(PF)と、現役最高のパサーを輩出しており、トーナメントの実績以上に大きな存在感を醸し出している。
 
 “ディーモン・ディーコンズ”という変わった愛称を持つウェイクフォレスト大のバスケ部は、1905年に創部された。1939年の第1回トーナメントに出場した8校のうちのひとつで、2度目の出場は1953年。この時の中心選手だったディッキー・ヘムリックがレギュラーシーズンでマークした通算2587得点は、2006年にデューク大のJJ・レディック(ニューオリンズ・ペリカンズ)に抜かれるまで、アトランティックコースト・カンファレンスの最多記録だった。また、ヘムリックは同大出身のNBA選手第1号でもあり、ボストン・セルティックスで2年間プレーしている。

 トーナメントで最高成績を残したのは1962年。NBAでのヘッドコーチ(HC)経験を持つボーンズ・マッキニーの下、平均30.1点を稼いだレン・チャペルやビリー・パッカーの働きでファイナル4に進出。準決勝でオハイオ州大に敗れたが、3位決定戦ではUCLAを撃破した。

 オールアメリカンに選ばれたチャペルは、同年のドラフト4位でシラキュース・ナショナルズ(現フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)に入団。ニューヨーク・ニックス移籍後の1964年はオールスターに出場したが、その後のキャリアは下降線を辿った。また、3球団からエクスパンション・ドラフトで指名されるという珍記録も作っている(1966年/シカゴ・ブルズ、1968年/ミルウォーキー・バックス、1970年/クリーブランド・キャバリアーズ)。
 
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