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NBA

【コビー・ブライアント物語・Part4前編】事業の成功、アカデミー賞受賞、背番号の同時欠番化……。輝きに満ちた順風満帆のセカンドキャリア

大井成義

2020.03.21

元プロアスリートとして初めてアカデミー賞に輝くなど、順風満帆のセカンドキャリアを送っていた。(C)Getty Images

元プロアスリートとして初めてアカデミー賞に輝くなど、順風満帆のセカンドキャリアを送っていた。(C)Getty Images

 引退後のコビー・ブライアントはビジネスマンとして第2の人生を歩み、様々な分野で成功を収めていた。まさに順風満帆と呼べる日々を送っていたが、2020年1月26日、突然の悲劇が彼を襲う。

■現役時代に手にした大金を元に、投資家として優れた手腕を発揮

『フォーブス』が2015年に報じたデータによると、コビーが現役時代に得た総収入は6.8億ドル(うち広告収入が3.57億ドル)。歴代のNBA選手で3指に入る膨大な金額である。その大金を使って、コビーは現役時代から投資ビジネスに着手していた。

 2013年、コビーは脳科学者であり若手起業家としても有名なジェフ・スタイベルとベンチャーキャピタルファンド、ブライアント・スタイベルを設立。勉強熱心で何事にも情熱を惜しまないコビーは、投資の世界においても際立った手腕を発揮した。引退後の2016年8月、コビーはブライアント・スタイベルに1億ドルの資金を追加する。投資の対象は、テクノロジー、データ会社、メディア関連と多岐に渡った。

 2020年1月の『ウォールストリート・ジャーナル』の記事によると、コビーのファンドは現在29の企業に投資を行なっており、最大の投資先はアクションゲームの開発を手がけるエピックゲームズで、資産価値は150億ドルに上るという。
 
 さらに2013年、コビーは個人としてスポーツ飲料のベンチャー企業、BAスポーツに600万ドルを投資した。株式の10%を保有する3番目の大株主となり、取締役会の一員にもなっている。

 スポーツ飲料業界は、長い間ペプシコ(ペプシ)傘下のゲータレード一強時代が続いており、2019年のシェアは74%とほぼ独占状態。2位はコカ・コーラが手掛けるパワーレードの20%で、頭打ちの状態が続いていた。そこにコビーはチャンスを見て取った。

 2011年にニューヨークで起業したBAスポーツが販売するスポーツドリンク、ボディーアーマーは、その品質の良さからアスリートの間で評判になっていた。そこにコビーが多額の投資をしたことで、より大きな注目を集め、さらに2017年から自身がCMの監督と脚本を手掛け、ジェームズ・ハーデン(ヒューストン・ロケッツ)やクリスタプス・ポルジンギス(ダラス・マーベリックス)ら大物選手を起用し好評を得た。コビーは『CNBC』のインタビューで、2025年までにゲータレードを抜き、シェア1位になるつもりだと語っている。
 
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