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NBA

デュラント、アービングに次ぐスターを獲得するか、現有戦力で勝負に出るか。球団史上最も重要な2シーズンに挑むネッツの“ベストチョイス”は?

杉浦大介

2020.04.22

今季は勝ち星を伸ばせなかったネッツだが、デュラント(左)とアービング(右)の2大エースが揃う来季こそ勝負のシーズンとなる。(C)Getty Images

今季は勝ち星を伸ばせなかったネッツだが、デュラント(左)とアービング(右)の2大エースが揃う来季こそ勝負のシーズンとなる。(C)Getty Images

 昨オフにケビン・デュラント、カイリー・アービングを加えて一躍注目チームになったネッツだったが、今季はシーズン中断時点で30勝34敗という不本意な成績に終わった。かろうじてイースタン・カンファレンス7位でプレーオフ圏内に入ってはいるが、もともとの話題性を考えれば“成功のシーズン”とは言い難い。今後にシーズンが再開されたとしても、プレーオフでの苦戦は必至だろう。

 もっとも、アキレス腱断裂からリハビリ中のデュラントはもともと全休が確実だっただけに、今季のネッツが苦しむのは予想されていたことではあった。加えてアービングもケガに泣き、出場は20戦のみ。だとすれば苦戦は想定内であり、勝負はやはり来季以降ということになるのだろう。

 昨オフにネッツはデュラント、アービングとそれぞれ4年契約を結んだ。4年目はプレーヤーオプション(選手がFAになれる権利を持つ)であることを考えれば、2、3年目にあたる来季からの2シーズンが勝負。優勝の現実的なチャンスがあるという意味で、フランチャイズ史上でも最も重要な2年間といっても大袈裟ではない。
 
 それほど大事なシーズンに向け、来るべきオフは重要な時間となる。まずは今季途中にケニー・アトキンソンHCが辞任(事実上の解任)した後で、後任の指揮官を決めなければならない。アトキンソンが去った後に暫定HCとなったジャック・ボーンにチャンスが与えられるか。タロン・ルー、トム・シボドーといった実績あるHC経験者を招聘するか、あるいは無名でも評判の良いアシスタントコーチ陣の中から人材を登用するか。そういった新指揮官の選定以外にもう1つ、大切な決断がある。デュラント、アービングに続く、“第3のスター”の獲得を目指すか否かが今オフ最大のポイントとなりそうなのだ。

「ネッツにはとても良い選手が揃っている。ただ、僕やKD(デュラント)、DJ(ディアンドレ・ジョーダン)、GT(ギャレット・テンプル)、スペンス(スペンサー・ディンウィディー)、キャリス(ルバート)を補完するためのピースがもう1つ、2つ足りないのは明らかだ」

 1月中旬、アービングがこのように語って物議を醸したことがあった。なかなか勝ち星が伸びない責任を転嫁するような発言によってアービングは批判もされたが、絶対必勝の2シーズンに臨む前に、ネッツにはまだ補強が必要なのも事実。もう1人のスターを獲得して“ビッグ3”を確立できれば、来季はバックス、ラプターズ、セルティックス、76ersといった強豪を撃破するチャンスも大きくなる。

 今オフはFAマーケットこそ不作だが、ネッツはディンウィディー、ルバート、ジャレット・アレンといった他のチームが興味を持ちそうなトレード要員を豊富に抱えている。このうちの何人かとドラフト指名権を放出すれば、大物の獲得も可能かもしれない。
 
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