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NBA

「俺やマローンが優勝できたとしても…」バークレーが語った独特の“優勝観“。そこには強烈なプライドが…

秋山裕之

2020.05.24

96年にラストチャンスを求めてロケッツへ移籍したバークレーだが、新天地ではエースではなく2、3番手に降格し、頂点にも手が届かなかった。(C)Getty Images

96年にラストチャンスを求めてロケッツへ移籍したバークレーだが、新天地ではエースではなく2、3番手に降格し、頂点にも手が届かなかった。(C)Getty Images

 NBAの新陳代謝は早い。ドラフト上位でNBAチームに入団しても、同一チームで10年以上プレーできる保障はどこにもない。ケガでキャリアが短命に終わってしまう選手もいれば、チームやコーチと相性が合わずに契約を切られる選手、リーグに居場所をなくして海外へと拠点を移す選手たちもいる。

 2013年に『Business Insider』へ掲載されたデータによれば、NBA選手のキャリアは平均4.8年。現在は全30チームに15選手(2WAY契約は除く)が所属しているため、NBA選手は基本的に毎年450名。トレードやフリーエージェント、10日間契約などでその数は若干増えるものの、平均年数は5年未満ということを考えると、いかに生存競争が厳しい世界であることがわかる。

 さらに、約半年をかけてレギュラーシーズン82試合を行ない、最長で2か月間のプレーオフを勝ち抜いてチャンピオンになるのは毎年1チームのみ。だからこそ、スーパースターであれ、オールスターであれ、ロールプレーヤーであれ、優勝経験を持つ選手というのは記録にも記憶にも残るのだろう。

 バスケットボール殿堂入りした選手の中にも、チャンピオンシップを勝ち取れずにキャリアを終えた選手もいる。エルジン・ベイラー(元ロサンゼルス・レイカーズ)やドミニク・ウィルキンス(元アトランタ・ホークスほか)、アレン・アイバーソン(元フィラデルフィア・セブンティシクサーズほか)、レジー・ミラー(元インディアナ・ペイサーズ)、カール・マローン(元ユタ・ジャズほか)、ジョン・ストックトン(元ジャズ)といったレジェンドたちである。
 
 そしてキャリア16年で通算2万3757点、1万2546リバウンド、4215アシストを残し、1993年にはシーズンMVPにも輝いたチャールズ・バークレー(元フェニックス・サンズほか)もその1人だ。

 84年のドラフト1巡目5位指名でシクサーズへ入団したバークレーは、キャリア2年目から11年連続で平均20点、10リバウンド以上を達成。リーグ有数のパワーフォワードとなったが、チーム強化に本腰を入れないシクサーズのフロントへトレードを要求して92年夏にサンズへ移籍した。

 サンズ加入1年目の92-93シーズンにNBAファイナルへと勝ち上がり、ドラフト同期で親友でもあったマイケル・ジョーダン率いるシカゴ・ブルズと対決。2勝4敗で敗れたものの、ジョーダンが同年10月に一度目の現役引退を表明したことで、バークレー率いるサンズに大きなチャンスが巡ってきた。

 だがサンズは94、95年と2年続けてカンファレンス準決勝でヒューストン・ロケッツに7戦の末に敗退。翌96年には1回戦でサンアントニオ・スパーズに敗れたことで、バークレーは最後の優勝チャンスに懸けた。
 

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