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NBA

寡黙なブルーワーカー、ビル・カートライト。順風満帆だったキャリアが、起用法と故障癖で…【NBA名脇役列伝・前編】

出野哲也

2020.05.29

ニックスでのルーキーイヤーまで、カートライトのバスケ人生は順風満帆だった。しかし、起用法と故障癖が彼のキャリアを狂わせていく。(C)Getty Images

ニックスでのルーキーイヤーまで、カートライトのバスケ人生は順風満帆だった。しかし、起用法と故障癖が彼のキャリアを狂わせていく。(C)Getty Images

 シカゴ・ブルズが最初の3連覇を達成してから、四半世紀が経過した。当時の主力選手のうち、マイケル・ジョーダン以外のメンバーは名前を聞く機会も少なくなっていたが、ここへきてドキュメンタリー『ザ・ラストダンス』が放送されたことで、再び脚光を浴びている。

『ザ・ラストダンス』に対する評価は様々で、ホーレス・グラントなどは「90%がでたらめ」と発言。では、前期スリーピート達成時に先発センターを務めていたビル・カートライトの見解はどうか。

「3回分くらいしか見ていないが、私が知っているのではないストーリーが語られている。ただ、娯楽作品なのだからポジティブに受け止めたい」

 グラントの発言を支持しつつ、大人の対応を見せたその姿は、ジョーダンという唯一無二の存在に振り回されるチームにあって、良心的に振る舞い精神的支柱になっていた現役時代を思い起こさせるものだった。
 
■高卒でのプロ入りも噂されるが、母親の希望もあって大学へ進学

 カートライトはカリフォルニア州サクラメント近郊の、エルクグローブという町で育った。7人姉弟で唯一の男の子だった彼は、幼い頃から父の働く農場を手伝っていたという。

「7~8歳でもうトマトやリンゴを収穫していた。夏の甜菜畑なんて40度近くになるからね。毎日そんなところで作業していたら、自然と忍耐力も身につくものさ(笑)」

 少年時代は野球が好きで、中学校では長身の投手として注目された。だが身長が2mを超す頃には、彼に最も向いているスポーツがバスケットボールであることが、誰の目にも明らかになる。

 高校時代には1試合66得点を叩き出すなど、平均40点、22リバウンド、8ブロックという驚異的な数字をマーク。最大の武器が最終的に216cmまで伸びた長身であることに違いはないが、ターンアラウンドジャンパーやフェイダウェイも決めるシュート力にも定評があった。

 最終学年でチームは30戦全勝を達成。多くの大学から勧誘が届く一方で、卒業後に直接NBA入りするのではとの噂もあった。なかでもフィラデルフィア・セブンティシクサーズが熱を上げており、カートライトか、同じく高校生だったダリル・ドーキンス(元シクサーズほか)のどちらかのドラフト指名を検討していたという。しかし、大学進学を望んだ母親の願いを聞き入れ、サンフランシスコ大へと進路を決める。
 
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