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NBA

スローンを名将たらしめた厳格さと優しさ、そして周囲への尊敬の念。「ジャズの選手で彼を悪く言う者はいない」と評された名指揮官の物語

杉浦大介

2020.07.03

78歳で逝去したスローン。リーグはまた1人、功労者を亡くしてしまった。(C)Getty Images

78歳で逝去したスローン。リーグはまた1人、功労者を亡くしてしまった。(C)Getty Images

 また1人、名将がこの世を去った。5月22日(日本時間23日、日付は以下同)、シカゴ・ブルズとユタ・ジャズでヘッドコーチ(HC)を務め、通算1221勝をあげたジェリー・スローンが78歳で逝去。パーキンソン病とレビー小体型認知症の合併症を患い、約4年間の闘病生活の末に亡くなったと伝えられている。

「スローンはNBAで最も尊敬され、称賛されたレジェンドの1人でした。彼は現役時代にオールスターに出場し、その激しいスタイルで創成期のブルズを形作りました。その後は歴代最高のHCの1人となり、23シーズンにわたってジャズを率いました。彼は同一球団で1000勝を達成した初めてのHC。粘り強さ、規律、原動力、無私無欲と、殿堂入りにふさわしいクオリティを体現しました」

 訃報に際し、アダム・シルバー・コミッショナーはこのような声明文を発表。その言葉通り、現役時代のスローンはオールディフェンシブチームに6度、オールスターに2度選出されるなど、輝かしい実績を残した選手だった。それでもほとんどのファンにとっては、やはりジャズの指揮官としてのイメージが強いはずだ。
 
 1988年から2011年という長きにわたってジャズの指揮を執り、ドン・ネルソン(元ミルウォーキー・バックスHCほか)、レニー・ウィルケンズ(元シアトル・スーパーソニックス/現オクラホマシティ・サンダーHCほか)、グレッグ・ポポビッチ(サンアントニオ・スパーズHC)に次ぐ史上4位の勝利数をマーク。1997、98年にはジョン・ストックトン、カール・マローンを軸に2年連続でファイナル進出を果たす。頂上決戦ではいずれもブルズに敗れたものの、マイケル・ジョーダン率いる最強軍団に真っ向から立ち向かった勇姿は、ドキュメンタリー作品の『ザ・ラストダンス』でもフィーチャーされた。

 結局、優勝は果たせず、信じがたいことに最優秀コーチ賞を受賞したこともなかったものの、2009年に殿堂入りも果たしている。スローンほど広くリスペクトされたコーチは珍しいが、イリノイ州の農場育ちだった彼の厳格さと優しさには、決してブレがなかったからだろう。
 

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