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NBA

“勇気ある行動”で支持を集めた矢先の悲劇。マジックのジョナサン・アイザックが左ヒザ前十字靭帯を断裂

ダンクシュート編集部

2020.08.03

悔しさを滲ませながら、車椅子に乗ってアイザックはコートを去った。(C)Getty Images

悔しさを滲ませながら、車椅子に乗ってアイザックはコートを去った。(C)Getty Images

 8月2日(日本時間3日、日付は以下同)に行なわれたオーランド・マジック対サクラメント・キングスの一戦で、悲劇が起きてしまった。

 第4クォーター残り9分19秒、トップ・オブ・ザ・キーからドライブを仕掛けたマジックのジョナサン・アイザックが、ステップを試みた際に左ヒザを負傷。倒れ込んだまま起き上がれず、車椅子に乗せられコートから去っていった。

 そして診断の結果、左ヒザの前十字靭帯を断裂する重傷を負っていたことが判明。選手生命が脅かされかねないほどの大ケガのため、本来なら無事を祈るコメントが送られるべきはずだが、ネットなどでは一部から心無い発言も相次いでいた。

 それはなぜか。その理由は2日前、マジック対ブルックリン・ネッツのシーディングゲーム(順位決定戦)初戦のゲーム前にあった。
 
 今なお続くアメリカの人種差別問題に対する抗議行動は、NBAでも例外なく行なわれている。選手たちの多くは名前ではなく任意の社会的メッセージが入ったジャージーを着用しているほか、試合前の国歌斉唱時には、人種差別抗議運動のスローガンである“Black Lives Matter”の文字がプリントされた黒いTシャツを着て、腕を組み片ヒザをつくポーズを取っていた。

 しかしアイザックはこの“BLM Tシャツ”に袖を通さず、また腕を組むこともヒザをつくこともしないまま、“これまで通りの姿勢”で国歌を聴いていた。これらの抗議行動は当然だが個人の任意であり、アイザックは「“BLM”には賛同しているよ。でも、こういった行動が問題解決につながるとは思わない」と発言。また、彼以外にもサンアントニオ・スパーズのグレッグ・ポポビッチ・ヘッドコーチも、“BLM Tシャツ”は着たものの国歌斉唱中は立ったままだった。

 自分の信念に従ったアイザックだったが、一連の行動に対して批判の声が殺到。この“ヒザ”に関する諸事情が背景にあったため、冒頭の大ケガを負った際にも不謹慎な発言が見られたのだ。

 ただ、一方でアイザックの考えは多くの人々の共感も呼んでいた。その証拠に、“国歌斉唱事件”以降のジャージーの売上で、なんとレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)に次ぐ2位のセールスを記録したのだ。
 

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