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NBA

【プレーオフ激闘録】1994年ファイナルはニックスが先に王手。しかし最終戦で頼みのスタークスが…|後編

ダンクシュート編集部

2020.08.21

ニックスのファイナル進出の原動力ともなったスタークスだったが、優勝を懸けた最終第7戦では3ポイントがまったく入らず大ブレーキとなった。(C)Getty Images

ニックスのファイナル進出の原動力ともなったスタークスだったが、優勝を懸けた最終第7戦では3ポイントがまったく入らず大ブレーキとなった。(C)Getty Images

■3勝2敗と先に王手をかけ、悲願の頂点まで1勝に迫る

 1994年6月8日、ファイナルの火蓋が切られる。ヒューストンで行なわれた初戦、全米中継を担当したNBCのナビゲーター、ボブ・コスタスは番組の冒頭で、「ブルズとペイサーズに最終戦まで苦しめられたニックスに比べ、直近10試合中8試合に勝利しているロケッツが断然有利」と言い切っている。中7日のロケッツに対し、ニックスは2日しか休養を取れず、その間に長距離の移動も強いられていた。

 大事な初戦をもぎ取ったのは、やはり休養十分のロケッツだった。オラジュワンにはいつもの冴えが見られなかったものの、それでも28得点、10リバウンドを記録。ニックスはユーイングが23得点、9リバウンド、オークリーも12得点、14リバウンドと気を吐いたが、お祭り男スタークスがFG3/18(16.7%)、ラスト10本のシュートをすべてミスするという不調ぶり。不安を感じさせる出だしだった。

 だが、そこは立ち直りの早いスタークス。第2戦ではチームハイとなる19得点、9アシストをマークする。それを上回る活躍を見せたのがハーパーだった。一世一代の晴れ舞台で、ニックス移籍後のベストパフォーマンスを披露。18得点、7アシストに加え、3つのスティールを要所で決め、チームにシリーズ初白星をもたらした。
 
 舞台をニューヨークに移しての第3戦。地元での初戦に勝利し、波に乗りたいニックスだったが、オラジュワンがついに牙をむく。21得点、11リバウンド、7アシスト、7ブロックはすべてチームハイ。控えのキャセールもシリーズ最多の15得点を記録し、放った3本の3ポイントをすべて成功させ、おまけに決勝点まで決めるという、ルーキーらしからぬ活躍を見せた。

 第4戦の前夜、同じ戦場マディソンスクエア・ガーデンでレンジャースがスタンレーカップ・ファイナル最終戦を制し、54年ぶりの優勝を劇的に決め、ニューヨークの街は異様な熱気に包まれていた。その流れに乗ったニックスは、負ければ後がなくなる第4戦の終盤に11点差を引っくり返し、土壇場で逆転勝利を果たす。

 オラジュワンはシリーズハイの32得点、8リバウンド、5ブロックという相変わらずの無双ぶりだったが、ニックスは先発5人全員の2桁得点で対抗。この日のリバウンド数は、ロケッツの33に対してニックスが50。最終スコアは9点差の91-82、全7戦で最も得点差が開いた試合だった。
 

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