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NBA

大物はハワード1人も、スミス、ブヤチッチなどコート外で話題を振りまいた脇役を輩出した2004年【NBAドラフト史】

大井成義

2020.10.28

ハワード(1位/中央)、オカフォー(2位/左)、リビングストン(4位/右)のうち、オールスター選手に成長したのはハワードのみだった。(C)Getty Images

ハワード(1位/中央)、オカフォー(2位/左)、リビングストン(4位/右)のうち、オールスター選手に成長したのはハワードのみだった。(C)Getty Images

■外国人選手の指名数は過去最多個性的な選手も多かった04年組

 史上最も多くの外国人選手が指名されたのが、2016年のNBAドラフトである。フランスから選ばれた5人は、1度のドラフトにおける国別の外国人選手数として歴代最多。全60人の半数近くを占める28人の外国人選手が指名され、その割合46.7%はちょっと衝撃的な数字だ。

 元祖ドリームチームが世界を席巻し、NBA国際化元年とされる1992年のドラフト(1位シャキール・オニール)で指名された外国人選手の数が、わずか2人だったことを考えると、まったくもって隔世の感を禁じ得ない。

 2016年のドラフトに記録を塗り替えられるまで、最も多くの外国人選手を輩出した年が、意外にもその10年以上も前の2004年だった。38人の外国人選手がアーリーエントリーを申請し、最終的に25人が指名。全59人中25人が外国籍で、全体の42.4%を占めている。

 今その選手たちのリストを見てみると、バラエティの豊富さに改めて驚きを覚える。そして、それら外国人選手に負けず劣らず、母国アメリカ人選手も多種多彩だった。スター選手の数こそ乏しいものの、なかなか香ばしいメンツが顔を揃えている。

 この年のドラフト・ロッタリーで、最も高い1位指名権獲得率を手にしていたのは、レギュラーシーズン最下位だったマジック(25%)。2番目がブルズ(20%)、3番目がウィザーズ(15.7%)、それにクリッパーズ(10.5%)とホークス(10.4%)が続いた。
 
 5月26日に行なわれたロッタリーの結果、1位指名権は珍しく順当に最高確率を持っていたマジックの手に渡り、2位にはクリッパーズがジャンプアップ、ブルズはなんとか3位を確保した。4位は、翌シーズンからリーグに加わるボブキャッツ(現ホーネッツ)に与えられることが事前に決まっており、5位はウィザーズに確定する。

■2人の1位指名候補のなかから選ばれたのは高校生のハワード

 ドラフト本番の5日前、4位のボブキャッツが動いた。持っていた4位と33位の指名権を、クリッパーズの2位指名権とトレード。ビッグマンを必要としていたボブキャッツが、ガードの補強を検討していたクリッパーズに話を持ちかけ、上手くまとめあげたのだった。

 クリッパーズが狙いを定めていたのは、ピオリア・セントラル高の長身PG、ショーン・リビングストン。この年の1位と2位の選手は、2人のビッグマンに絞られていた。3位のブルズは過去2年連続でPGを指名しており(前年にカーク・ハインリック、前々年にジェイ・ウィリアムズ)、3年連続でのPG上位指名はないと踏んだうえで、リビングストンが4位まで間違いなく残ると判断したのだった。

 1位指名候補の1人は、リビングストンと並び当時全米屈指の高校生と目されていた、ジョージア州アトランタにあるサウスウエスト・アトランタ・クリスチャン・アカデミー高のドワイト・ハワード。
 

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