シーズン途中に次々と大型補強を行なったブルックリン・ネッツは、今季の優勝候補の筆頭チームだ。ただ、その意見に異議を唱える者も少なくない。フィラデルフィア・セブンティシクサーズのダニー・グリーンがホストを務めるPodcast『Inside the Green Room with Danny Green』に出演した、ジュリアス・アービングもその１人。“ドクターＪ”の異名で呼ばれるレジェンドＯＢは、現役時代を過ごしたシクサーズが、ネッツを倒すために必要なものを持っていると確信しているという。

「第一に、ヘッドコーチであるドック・リバースの経験。コーチングの面ではシクサーズに利があるね。それに加えて、ダニー・グリーンやドワイト・ハワードの持つ“チャンピオンシップの経験”もある。そして、ベン・シモンズとジョエル・エンビードの野心。彼らはハングリーだ。ここ数年間、彼らが”プロセス“と呼ぶものを担ってきたが、そろそろプロセスが実を結ぶ時だろう」

　さらにドクターＪは、シクサーズの勝利は間違いないと考え、自分の財産を賭けてもいいとまで言い切った。
  「私はフィリーに賭けているよ。勝利は自信を意味する。過剰な自信を持つのはクールではないが、自信を持つという行為自体はクールなことだ。だからこそ、その自信を維持して、コートでプレーする必要がある。それが私の考えだ」

　シクサーズには豊富な経験と勝利に飢えたハングリーさがあり、ドクターＪの指摘ももっともに聞こえる。ただ、それはネッツも同じこと。ケビン・デュラントとカイリー・アービングはリーグ制覇の経験があり、またジェームズ・ハーデンはチャンピオンリングを欲している。条件は五分と言ったところか。

　そしてドクターＪは続けて、今季のネッツのチーム作りを「チャンピオンシップを買おうとしているも同然」と評した。

「（ＭＬＢのニューヨーク）ヤンキースがやっていたことを思い出すよ。（ロサンゼルス）レイカーズも同じことをしているのでよく知られているだろう。彼らはすべてのピースを手に入れている。シーズンの終わりにどうなっているかわからないが、彼らは手強い存在になると思う。６人のオールスター経験者（この放送時点ではラマーカス・オルドリッジは現役）、そして３人のオールＮＢＡ選手を擁しているからね」