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NBA

「俺たちはビッグ15!」名門ニックスが8年ぶりにシーズン勝ち越し!低迷脱出の要因は“全員バスケ”?<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2021.05.05

エースのランドル(中央)が「俺たちはビッグ15」と語るように、今季のニックスはチーム一丸となって戦い、勝利を重ねている。(C)Getty Images

エースのランドル(中央)が「俺たちはビッグ15」と語るように、今季のニックスはチーム一丸となって戦い、勝利を重ねている。(C)Getty Images

 ニューヨーク・ニックスは昨年7月にトム・シボドーを新ヘッドコーチに迎えた。しかし、オフの大物選手の補強はなく、今季の上位進出は難しいと思われていた。

 だが、チームは開幕20試合で9勝11敗。2月27日(日本時間2月28日、日付は以下同)にインディアナ・ペイサーズを下して17勝17敗で勝率5割に。その後は勝ち負けを繰り返していたが、オールスター後に9連勝と調子をあげ、マイアミ・ヒートやボストン・セルティックスを上回りイースタン・カンファレンス4位につけている。

 そして5月3日、敵地で行なわれたメンフィス・グリズリーズ戦に118-104で勝利し37勝(28敗)をあげ、2012-13シーズン以来、8年ぶりのシーズン勝ち越しを決めた。

 近年はリーグ下位が定位置だった名門が、プレーオフ圏内まで浮上した要因はどこにあったのか?現代のNBAでは3ポイントシュートが飛び交い、1試合120点超えは当たり前のアップテンポなゲームが主流となっている。

 対して今季のニックスは平均107.4点がリーグ25位、オフェンスのペースは最下位、フィールドゴール(FG)成功率も21位と振るわない。だが、2枚看板のジュリアス・ランドル(平均24.2点)とRJ・バレット(17.6点)のほか、デリック・ローズ(14.3点)やアレック・バークス(12.5点)など7人が2桁得点をあげるなど、相手の的を絞らせないオフェンスを展開している。
 
 そして最大の強みとなっているのがディフェンスだ。ロースターにオールディフェンシブチームに選出された選手は皆無だが、「すべてはディフェンスとリバウンドから始まる」というシボドーHCの下、失点(104.1)はリーグ1位、被FG成功率(44.3%)、被3ポイント成功率(33.8%)も1位だ。

 さらにディフェンシブ・レーティング(107.8点)は4位にランク。相手を100点以下に封じた試合では18勝4敗(勝率81.8%)と大きく勝ち越すなど、リーグ有数のディフェンシブチームに変貌を遂げた。

 今季のチームはケビン・デュラント、ジェームズ・ハーデン、カイリー・アービングの“ビッグ3”擁するブルックリン・ネッツのようなスター軍団ではない。それでもエースに成長を遂げたランドルが「俺たちはビッグ15」と胸を張るように、選手1人ひとりが攻守でハードワークを惜しまない、“全員バスケ”で白星を重ねているのだ。

 とはいえ、シーズン中はフィラデルフィア・セブンティシクサーズ、ネッツ、ヒートには0勝3敗と、まだ上位陣に対抗できるほどの力は備えていない。ただ堅守を武器とするスタイルは“プレーオフ向き”で、彼らに一矢報いることは可能だろう。

 今後ニックスはデンバー・ナゲッツ、フェニックス・サンズ、ロサンゼルス・クリッパーズ、ロサンゼルス・レイカーズと、ウエスト強豪との対戦が組まれている。ポストシーズンを前に“全員バスケ”でどこまで対抗できるか注目したい。

構成●ダンクシュート編集部

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