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NBA

“元王者”ラプターズのプレーオフ不出場が決定。リーグ屈指の強豪が下位に転落した理由<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2021.05.11

今季のラプターズは守備が崩壊し下位に低迷。3月には1勝13敗と大きく負け越し、2013年以来8年ぶりにプレーオフ進出を逃した。(C)Getty Images

今季のラプターズは守備が崩壊し下位に低迷。3月には1勝13敗と大きく負け越し、2013年以来8年ぶりにプレーオフ進出を逃した。(C)Getty Images

 5月10日(日本時間11日)、イースタン・カンファレンス10位のインディアナ・ペイサーズがクリーブランド・キャバリアーズに勝利。ペイサーズは32勝36敗(勝率47.1%)となり、同日に9位のワシントン・ウィザーズがアトランタ・ホークスに敗れたため(32勝37敗/46.4%)、両者の順位が入れ替わった。

 この結果を受け、12位トロント・ラプターズ(27勝41敗/39.7%)の8年ぶりのプレーオフ不出場が決定した。

 2012年にカイル・ラウリーを補強したチームは、13年から7年連続でプレーオフに出場。強豪の仲間入りを果たし19年にはカワイ・レナード、ラウリー、マルク・ガソル、サージ・イバカら経験豊富なメンバーに加え、パスカル・シアカム、フレッド・ヴァンブリート、ノーマン・パウエルという若手の成長も光り、設立24年目で初のチャンピオンに輝いた。

 シーズン終了後に大黒柱のレナードは退団するも、昨季はシアカムがエースとして1本立ち。ヴァンブリート、パウエル、OG・アヌノビーも着実にステップアップを遂げ、連覇は逃したものの、プレーオフではカンファレンス決勝まであと1勝に迫り、王者の意地を見せた。

 ただオフにはインサイドの要だったイバカとガソルが退団。コート外では、カナダ政府が新型コロナウイルス対策として入国制限を設けた影響でホームのトロントで試合が行なえず、フロリダ州タンパを仮の本拠地として2020-21シーズンに挑んだ。
 
 チームは開幕10試合で3勝7敗とスタートダッシュに失敗。頼れるベテラン(イバカ&ガソル)の退団で守備が悪化し、2桁リードから逆転負けを喫する試合も多かった。

 それでもヴァンブリートやシアカム、ラウリーという優勝の味を知る主力の活躍で2月16日~21日に4連勝を記録して16勝15敗と今季初めて勝ち越し。“元王者”は、ここから一気に調子を上げていくと思われた。

 しかし、3月に入ると泥沼の9連敗、同月は1勝13敗と大スランプに陥り、カンファレンス下位に転落。その後は徐々に持ち直したものの、結局この月の不振が大きく響いた。

 今季のチームの苦戦の要因はケガ人の多さで、ここまで68試合で全試合に出場した選手はゼロ。1年を通じてベストメンバーが揃わずニック・ナース・ヘッドコーチは34種類のスターティングラインナップを試すなど、難しい舵取りを強いられた。

 ディフェンスの崩壊も低迷を招いた。失点は昨季のリーグ1位(106.5点)から13位(111.4)、レーティングは2位(104.7)から16位(111.7)へ、リバウンドも11位(45.4)から28位(43.8)に後退。100失点以上喫した試合は20勝41敗(昨季は35勝15敗)で、新加入のビッグマン、アーロン・ベインズとアレックス・レン(後者は1月に解雇)にイバカとガソルの代わりは務まらなかった。
 
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