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NBA

【NBA背番号外伝】ジャバー、バード、ピッペンが着用し人気が爆発!バスケ選手の憧れのナンバー「33」の歴史<DUNKSHOOT>

出野哲也

2021.08.18

ジャバー(右)が価値を高め、その後バード(左上)やピッペン(左下)も着用したことで、33番はバスケ選手にとって憧れの背番号となった。(C)Getty Images

ジャバー(右)が価値を高め、その後バード(左上)やピッペン(左下)も着用したことで、33番はバスケ選手にとって憧れの背番号となった。(C)Getty Images

 NBAに興味を持った時期によって、背番号33と聞いて思い浮かべる選手は違うだろう。オールドファンにとってはカリーム・アブドゥル・ジャバー、それより少しあとの時代だとラリー・バードやパトリック・ユーイング、そして1990年代のシカゴ・ブルズに夢中になった人たちにとっては、スコッティ・ピッペンのイメージが強いはずだ。

 ジャバーが33番を選んだのは、まだ本名のルー・アルシンダーだった高校生の時。贔屓の選手だったNFLニューヨーク・ジャイアンツのメル・トリプレットの番号であり、また宇宙数霊術に凝っていた彼の母親が、良い数字と占ったからでもあった。数霊術のおかげかどうかはともかく、UCLAからミルウォーキー・バックス、そしてロサンゼルス・レイカーズに至るまで、ジャバーは一貫して背番号33をつけ、すべてのチームで永久欠番となった。

 史上最多6回のMVPに輝き、さらにNBA通算得点記録も樹立したスーパースターがつけていた33番は、多くのバスケットボール選手の憧れの番号となった。ジャバーと同じビッグマンならなおさらで、ユーイングやその後輩のアロンゾ・モーニング、オーティス・ソープ、アントニオ・デイビスらはいずれも望んでこの数字を背負った。

 ただ現役では、現レイカーズのマルク・ガソルがメンフィス・グリズリーズ、トロント・ラプターズ時代に使っていたのと、マイルズ・ターナー(インディアナ・ペイサーズ)くらいしか有力選手はいない。かつての33番=センターのイメージは薄れつつあり、ジェームス・ワイズマン(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)に期待したい。
 
 バードも時代的にはジャバーの影響を受けているはずだが、33番にしたのは兄と同じ番号というのが理由らしい。インディアナ州大時代の79年に、NCAAトーナメント決勝で敗れるまで“33連勝”したのも無関係ではないかもしれない。

 ボストン・セルティックスに入団したバードは、84~86年にジャバーもなし得なかった3年連続のMVPを受賞。ファイナルMVPにも2度輝き、史上最高のSFの1人と目されている。80年代後半以降は、33番はジャバーよりバードのイメージの方が強くなり、それにつれて彼と同タイプのオールラウンドプレーヤーがつける番号になっていった。

 ピッペンはその典型的な例だろう。ジャバーやバードの番号だったとの理由で背番号33を選び、マイケル・ジョーダンの最高の相棒として6度の優勝、そして初代ドリームチームを含む2個のオリンピック金メダルを獲得。

「9歳の時にブルズの試合に観に行って、客席からピッペンの手に触れたんだ。それ以来ずっと彼のファンだった」と語るダニー・グランジャー(元ペイサーズほか)をはじめ、アントワン・ジェイミソン(ウォリアーズ時代ほか)、現役のロバート・コビントン(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ時代など。現在はポートランド・トレイルブレイザーズで23番)ら、ピッペンに憧れて33番をつけた選手は多い。
 
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