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NBA

殿堂入りする“欧州のマジック・ジョンソン”が語った、黄金期ブルズと神様ジョーダン「最高のチームメイトではなかった」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2021.09.11

殿堂入りを果たすクーコッチが、3連覇時代のブルズやジョーダンについて語った。(C)Getty Images

殿堂入りを果たすクーコッチが、3連覇時代のブルズやジョーダンについて語った。(C)Getty Images

 現地時間9月10日、今年度のバスケットボール殿堂入りを果たすメンバーがマサチューセッツ州スプリングフィールドへ集結。翌日の式典を控えて会見を行なった。

 国際部門で選出されたトニー・クーコッチは、1990年のドラフト2巡目29位でシカゴ・ブルズから指名された後に、母国のユーゴスラビア、イタリアで経験を積み、93-94シーズンからNBAでプレーした名手だ。

 96~98年に3連覇を達成したブルズでシックスマンという重要な役割をこなし、2000年2月のトレードでフィラデルフィア・セブンティシクサーズへ移籍。その後はアトランタ・ホークス、ミルウォーキー・バックスを渡り歩き、05-06シーズンまで13シーズンにわたって活躍した。

 今でこそNBAには、ギリシャ出身のヤニス・アデトクンボ(バックス)やスロベニア出身のルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス)、セルビア出身のニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ)など外国籍選手が数多くプレーしているものの、当時はごく少数だった。
 
 同じように殿堂入りを果たしているアルビダス・サボニス(元ポートランド・トレイルブレイザーズ)やブラデ・ディバッツ(元サクラメント・キングスほか)、サルナス・マーシャローニス(元ゴールデンステイト・ウォリアーズほか)らと同様、クーコッチはインターナショナルプレーヤーの先駆け的存在と言っていい。

「私たちがNBA入りした当時は今とは違う時代だった。我々は全くと言っていいほど知られていなかったからね。人々は私たちのプレーを1、2試合、あるいは5試合くらい見てようやく知るようになったんだ。私たちはNBAのパイオニアだったのさ。90年代序盤は、リーグがグローバル化していた時だったからね」

 そう語ったクーコッチは、“ヨーロッパのマジック・ジョンソン”と評されたオールラウンド能力を武器に、NBAに新風を吹き込んだ。208cmのサイズでボールハンドリングをスムーズにこなし、柔らかな身のこなしからパスを捌き、ポストプレーから3ポイントまで軽々と決める高いシュート力を発揮した。

 ブルズが当時のNBA新記録となる72勝10敗(勝率87.8%)を飾った95-96シーズン。チームは前年に現役復帰を果たしたマイケル・ジョーダンを筆頭に、スコッティ・ピッペン、新加入のデニス・ロッドマンが中核を担い、クーコッチはベンチスタートに。それでも平均13.1点、4.0リバウンド、3.5アシスト、3ポイント成功率40.3%をマークして、最優秀シックスマン賞を受賞した。
 
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