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NBA

【NBA背番号外伝】ミラー、テリー、マリオンらが着用も…背番号31は“ドラフトを巡る負の記憶”のイメージが<DUNKSHOOT>

出野哲也

2021.11.15

ミラー(左)、マリオン(右上)といった実力者が着用した31番。しかしドラフト2位指名のビッグマンが袖を通すと、たちまち“負の番号”に?(C)Getty Images

ミラー(左)、マリオン(右上)といった実力者が着用した31番。しかしドラフト2位指名のビッグマンが袖を通すと、たちまち“負の番号”に?(C)Getty Images

 背番号31は、ドラフトを巡るドラマに欠かせない番号である。ただ残念なのは、それは悪い意味で記憶に残る選手が多い番号だということだ。

 1984年のドラフトは、全体1位でヒューストン・ロケッツがアキーム・オラジュワンを指名。2位指名権を持っていたポートランド・トレイルブレイザーズは、ノースカロライナ大のマイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)ではなくケンタッキー大のビッグマン、サム・ブーイを獲得するドラフト史に残るミスを犯した。後にオラジュワンとジョーダンがチームを優勝に導いたのに対し、故障続きのブーイは10年間の現役生活で通算10.9点、7.5リバウンド。背番号は1年目が30で、2年目以降は引退するまで31だった。

 それから約20年後、2003年のドラフトで同じ過ちが繰り返された。1位でクリーブランド・キャバリアーズがレブロン・ジェームズ(現ロサンゼルス・レイカーズ)を指名したあと、2位のデトロイト・ピストンズはシラキュース大のカーメロ・アンソニー(現レイカーズ)が残っていたにもかかわらず、セルビア出身のダーコ・ミリチッチを選択。ミリチッチもブーイと同じく10年間NBAでプレーしたが、成績は平均6.0点、4.2リバウンドと期待を大きく裏切った。現役最後の年、ボストン・セルティックスで99番だったのを除き、背番号はずっと31。この先、2位指名のビッグマンは31番を着けない方がいいかもしれない。
 
 ブーイやミリチッチを筆頭に31番はビッグマンが多いが、大成功した選手はあまりいない。アトランタ・ホークス時代に2度、その後ABAに移って3度オールスターに出場したゼルモ・ビーティ(NBA8年間で平均16点、10.4リバウンド)が成功した部類に入るくらいだ。

 ほかにはセルティックスでビル・ラッセル、レイカーズではウィルト・チェンバレンの控えセンターを務めたメル・カウンツ。1970年代には珍しかったヨーロッパ(オランダ)出身のスウェン・ネイター(元レイカーズほか)は、1980年にリバウンド王に輝いている。

 そのほか、ショータイム時代のレイカーズでハッスルプレーヤーとして名を売ったカート・ランビスも31番。2003年にサンアントニオ・スパーズの優勝に貢献したマリック・ローズ、2000年代初頭にサクラメント・キングスでプレーしたスコット・ポラードも似たようなタイプの選手だ。現役のビッグマンではジャレット・アレン(キャブズ)が活躍している。
 
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