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NBA

受け継がれる“ニックスの天敵”の意思。ミラーが「リーグに欠けているもの」を取り戻したヤングを称賛<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2021.11.29

昨プレーオフの活躍で、ニックスの天敵となりつつあるヤング(右)。“先輩”ミラーはそのパフォーマンスを称賛している。(C)Getty Images

昨プレーオフの活躍で、ニックスの天敵となりつつあるヤング(右)。“先輩”ミラーはそのパフォーマンスを称賛している。(C)Getty Images

 昨季のプレーオフ・ファーストラウンドで対戦したアトランタ・ホークスとニューヨーク・ニックスは、イースタン・カンファレンスにおいて新たなライバル関係となりつつある。

 ホークスは4年ぶり、ニックスは8年ぶりのポストシーズンとなった昨季のシリーズは、4勝1敗で前者がニックスを撃破。とりわけ輝きを放ったのが、若きエース・トレイ・ヤングだ。

 マディソンスクエア・ガーデン(MSG)で行なわれた初戦の試合終盤、決勝弾となるフローターを沈めると、3勝1敗で迎えた第5戦の残り約1分にもクロスオーバーからプルアップのディープスリーをヒット。とどめの一撃をお見舞いした直後、観客へ向かってシリーズ終了を告げるお辞儀をしたパフォーマンスも印象的で、平均29.2点、9.8アシストの大立ち回りを披露しニックスに引導を渡した。

 そして、このヤングの活躍――クラッチショットを沈める勝負強さ、そしてニックスとMSGの天敵として躍り出た姿――を観て、レジー・ミラーを思い出した人もいるだろう。
 
 インディアナ・ペイサーズ一筋、キャリア18シーズンで平均18.2点、3.0リバウンド、3.0アシストをマークしたミラー。201センチ・83キロという細身の体格ながら、アウェーゲームでブーイングを浴びても自らのショットでそれをかき消すほどの実力が備わっていた。

 そのミラーとニックスの“因縁”としてまず思い出されるのが、MSGで行なわれた1994年のイースタン・カンファレンス・ファイナル第5戦。ミラーが第4クォーターだけで25得点(試合全体で39得点)の集中砲火を浴びせ、ニックスをねじ伏せた一戦だ。

 さらに翌95年のカンファレンス・セミファイナル初戦では、残り18.7秒で6点ビハインドの劣勢から、3ポイント2本とフリースロー2本を決める“ミラータイム”が開演。世紀の大逆転劇を起こし、ニックスと、そのファンを奈落の底へと突き落とした。

 11月27日(日本時間28日、日付は以下同)。そのミラーが米紙『New York Daily News』のインタビューに応じ、昨季ホークスとニックスが見せたプレーオフシリーズについてこう語っていた。

「あれは観ていて楽しかった。今、あの2チームは本物のライバルとなりつつある。それはトレイ・ヤングがいて、ホークスとニックスによるものだからさ」
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