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NBA

Gリーグで2戦合計100得点!NBA定着のチャンスを掴んだ28歳苦労人の波瀾万丈のキャリア<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2022.03.06

Gリーグで今季平均26点をマークするスタウスカス。高い得点力を買われてセルティックスと2年契約を結んだ。(C)Getty Images

Gリーグで今季平均26点をマークするスタウスカス。高い得点力を買われてセルティックスと2年契約を結んだ。(C)Getty Images

 Gリーグで2戦合計100得点をマークし、その2日後にボストン・セルティックスと2年契約を締結。そんなキャリアのビッグチャンスを掴んだのが、カナダ人ガードのニック・スタウスカスだ。

 デンバー・ナゲッツの下部組織、グランドラピッズ・ゴールドに所属していたスタウスカスは、3月1日のウィスコンシン・ハード戦で3ポイント11本を含む57得点、翌日のレイクランド・マジック戦で3ポイント9本を含む43得点をマーク。Gリーグで初となる2連戦で計100得点という偉業を達成すると、4日に現在イースタン・カンファレンスで5位につけるセルティックスに迎えられた。

 彼が最後にNBAのコートに立ったのは、マイアミ・ヒートと10日間契約を結んだ今季の年末年始。その時は2試合で計24分プレーし、平均5.5点に終わっていた。

 リトアニアにルーツを持つスタウスカスは、カナダのトロント郊外で生まれ育った。トロントにはカナダ在住のリトアニア人の3分の2が暮らしている。スタウスカスはそこにあるリトアニアコミュニティのスポーツクラブでバスケットボールを始めた。
 
 高いシュート力を評価されて2012年にミシガン大に進学。全米準優勝を果たしたチームで、成功率44%と3ポイントシュートを得意としていたのは、さすがリトアニアのバスケットボール仕込みという感じだ。

 2年時にはビッグテン・カンファレンスの年間MVPという華々しい栄光を引っさげてドラフトエントリーを表明すると、サクラメント・キングスから全体8位で指名を受けて念願のNBA入りを果たした。なお、この2014年ドラフトでは1位でアンドリュー・ウィギンズ(現ゴールデンステイト・ウォリアーズ)、3位でジョエル・エンビード(現フィラデルフィア・76ers)、2巡目の41位でニコラ・ヨキッチ(現ナゲッツ)が指名されている。

 期待されてキングスに迎えられたスタウスカスだが、1年目は平均4.4点と振るわず。するとわずか1年で76ersにトレードされたのを皮切りに、ブルックリン・ネッツ、ポートランド・トレイルブレイザーズ、クリーブランド・キャバリアーズと、5年間で5球団を転々とするジャーニーマンとなった。2019-20シーズンにはスペインに渡り、バスコニアでもプレーしている。

 ヒザの手術のため、同シーズン途中に契約を解除してアメリカに戻ると、リハビリを終えた翌シーズンの1月、故郷トロントのラプターズの下部組織、ラプターズ905で約1年ぶりに実践復帰。今季は開幕前にナゲッツと契約後、下部組織のゴールドでGリーグを主戦場としていた。
 
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